認知的に今年の抱負を実現する方法
新年が始まるとクライエントと「今年の抱負」を立てている。
まず最初に昨年の振り返りから始める。
認知行動療法を取り入れながら行っているので、振り返りの一つ目はこうなる。
・昨年でよかったこと、できたこと、うれしかったことは何ですか
これを行うことで、全体をポジティブな印象にする。
自分のポジティブな面を探すことは、ネガティブな部分を探すよりもはるかに難しい。
認知の枠組みを変え、ポジティブに物事をとらえられるように導くのである。
次の振り返りはこうである。
・昨年もっと頑張りたかったことはどんなことですか
質問自体はネガティブな内容なのだが、意欲を引き出すことと、今年の課題に向けての意識付けとなる。
「できない」「足りなかった」「失敗した」などのネガティブワードはNGである。
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これを踏まえて新年の抱負を立てる。
・今年はどんなことができたらいいと思いますか
内容に実現可能性は問わない。
どんな思いや夢でも構わないので、目標を立てる。
振り返りが活かせるとよいが、難しい場合は関連してなくても問題ない。
・そのための小さなステップを作りましょう
目標実現に向けてのスモールステップを設定する。
こちらは実現可能性が問われるとともに、なるべくすぐに実行できることが良い。
目標が大きいとスモールステップの設定も大きくなりがちなので、小さくなるよう助言を行おう。
・そのステップが実現したところを想像して、どんな気分か書いてみてください
実際のイメージを浮かべてもらうことで、具体性がより増すことになる。
さらに、ポジティブな目標を加速させる。
もしここでの気分がネガティブになってしまっている場合は、スモールステップの見直しを行うようにする。
・小さなステップを行うための「トリガー」を設定しましょう
行動を起こすためのアイテムを置く。
トリガーはスモールステップを行うための道具を、必ず目に付くとこや手にする物に設定しておくとよい。
例えば、毎日ウォーキングするのであれば、毎日のルーチンの中にジョギングシューズを手にできるようにトリガーを設定する。
ある時間にテレビを見るのであれば、リモコンの下にシューズケースを置いておくことや、ドアにウェアを掛けておくなどである。
読書であれば、枕の上に本を置いておいたり、テーブルに置いておくなどがトリガーになる。
こうすることで自然と小さなステップを起こすための「きっかけ(=トリガー)」が生じることになるのである。
このように、認知に働きかけながら今年の抱負を実現するためのステップを踏み、取り掛かってみてもらいたい。