おむえす

脳に栄養を

日記のススメ

COVID-19の最中、みなさまどうお過ごしだろうか。

自宅待機で耐え難きを耐えていらっしゃることだろう。

筆者は医療関係者であるため、緊急事態宣言の中、トコトコと電車に揺られて出勤している。ハイリスクである。なおかつ職務内において外来検温対応を行っているので、ことさらである。

通勤手段自体を変えたいのだが、自家用車も職場の駐車場もなく、バイク通勤の選択肢しかない。そもそも電車の定期を長期で買ってしまっている。感染リスクを取るのか、バイク事故のリスクを取るのか、考え物である。

 

さて、クライエントからの相談で多いのが「日中に何をしていいかわからない」という相談である。

同じような報道が流れるテレビには辟易とし、スマホをなんとなくいじっているのだという。

地域差はあるのだろうが、外出自粛要請の折、散歩もままならない。

ご家族がいらっしゃる方であれば、互いの息遣いまでも気になってくる。

いままで時間がないと嘆いていたにも関わらず、休みが続くとやることがないわけである。

 

まず、日記を書こう。

書くことがないと考えるのであれば、「今日は書くことがない」という一文から始めてよい。

日記をその日にあった出来事を記すものとして我々は思い込んでいる。

日記は日々記すものであり、何も特別な体験を記す必要はない。

そのような機能はインスタやらツイッターやら各種SNSにまかせておけばいい。

日記には気になることや、やりたいこと、思い出したことなど、その時感じたことを記入しておけばいいわけなのだ。

メモで構わない。

箇条書きで構わない。

振り返ることすらいらない。

ただ記してみる。そこから始めてみることで、脳が活性化され意欲が生まれる。

明日やりたいことが見つかるかもしれない。

福祉と搾取

共同生活援助施設利用中のクライエントの診断書作成が回ってきた。

今般年金申請を行うとのことなのだが、主治医との関係性がとれておらず、年金申請の現症時診断書作成のための情報収集及び診断書作成ということであった。

予約が詰まっていたので、6時間後に再度来院してもらうこととし、一時間の面談枠を確保した。

診断書の作成用紙はお預かりしていたが、厚労省からのエクセルデータを用いて、面談しながら完成していく形をとった。

予定時刻30分前にご本人来院。施設職員が同行している。聴くところによると、初診時より常に同行し、代弁しているとのこと。

共同生活援助なので、グループホームと思うのだが、いわゆる福祉ホームから移行した同行援助が必要なクライエントなのかもしれないと予測し、場合によっては施設職員から情報収取を行う必要があるかもしれないと想定しておいた。

年金診断書には陳述者の氏名を記入する部分があるので、施設職員が陳述していただいても有効性は保証できるのである。

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公認心理師のおすすめテキスト①

第2回公認心理師試験の合格発表を週末に控え、先日は第3回の現任者講習会の開催案内が出された。

半年間ほど福祉や後輩の試験対策を依頼され、対応に尽力していた。

実際自分も問題に当たったところ、第2回での得点率は7割であった。7割の人物から教えられた面々には申し訳なかった。

 

今回教材に選んだのはこちらであった。

この2冊を準備してもらい、講義形式で3か月間内容を網羅し、2か月間は復習と模擬問題への取り組みであり、わずか5か月の間に詰め込む形となったのだ。

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完全無欠コーヒーで完全無敵

仕事に身が入っている反面、自身の時間管理がマネジメントできておらず、仕事と家事に忙殺されている気分になる。

毎日のルーティンに対する意欲が低下しているのか、タイムコントロールがうまくいかないのだ。

仕事に対しては新人教育を含め、脳がフル回転しておりパフォーマンスは上がっている。

その反動なのか、家事をしているときに手が止まることがあるのだ。

 

これでは自分の時間を持つことができず、疲弊してしまうかもしれない。

 

ホワイトデーのお返しを探していた時、ふと目に留まった商品があった。

 

ギー・イージー 200g

ギー・イージー 200g

 

 なんかおしゃれだし、これでもいいかと思い「ギー」について調べてみた。

 

『完全無欠コーヒー』

 

えっ!?

何その破滅的なネーミングセンスは。

もう気になって仕方がない。

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主夫の黒おでん(風)のススメ

抑うつ状態を主訴とするクライエントの話をお聴きしていたところ、ご主人の家事への協力がなく、孤独感を感じているということであった。

クライエントは専業主婦で、子どもの世話や家事を一手に引き受けているという。

ご主人は会社経営者であり、零細企業を運転しているため金銭管理にシビアな面を持ち、月々の生活費は支給制であった。

クライエントは自由がないままに不満を募らせ、夫婦間の諍いが絶えず、怒鳴られる日々を送っていたという。

ある日、全く家事に対する意欲が起きず、家事が手につかなくなり何もできなくなってしまい、カウンセリングを開始したのだ。

 

ご主人はカウンセリングへの同席はされず、離れた駐車場の車内で待機されていた。

クライエントの許可を取りご主人と話したところ、家計の食費や水道光熱費が高くやりくりができていないこと、幼少時のトラウマがあり家事をすることが我慢ならないことが確認できた。

クライエントは希死念慮があったため、現在の状態を受け入れてもらうことと病状の危険性を話し、少しだけでも家事を手伝ってもらうよう依頼したのである。

 

さて、主婦の皆様方からするとこのようなケースに驚くのではないだろうか。

そもそも「協力」などと言っている時点で、家事は女性の仕事であり、男性は補助的な役割と思っているように聞こえないだろうか。

 

私は兼業主夫である。

主夫業は楽しく、できる範囲で行っている。

できないことは仕方ないのだが、家内の雷が落ちることはホルモンバランスが崩れると起こる避けようのない恒例行事となっている。

特に楽しいのは料理である。

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一呼吸おいてからの一言がカウンセリングでは重要である

AI手法の進歩は目覚ましいものであり、今度は東京大学てんかんの脳波を検出するAIを開発したという。

http://www.h.u-tokyo.ac.jp/vcms_lf/release_20190131.pdf

先日もAIのお知らせをしたのだが、医療が革新的に進歩していく予感である。

 

さて、今日のお話は「一呼吸入れる」ということである。

クライエントへの対応は、まさに「今ここで」の出来事である。

クライエントの訴えに対して適切な対応や、素早い判断を下す必要がある。

特に、医療機関においては症状であるかどうかの鑑別を即座に行いながら面接を展開していく。

 

例えばこのような事例を見てみよう。

主訴「最近熱っぽい」

クライエント「なんだが熱っぽくて、体がだるくて頭もボーッとしてます」

セラピスト 「今日も熱っぽいですか」

クライエント「はい。朝から熱っぽくて、呼吸もしづらい感じがします」

セラピスト 「測ってみましたか」

クライエント「朝は37.2℃でした」

セラピスト 「風邪かもしれませんね。インフルエンザも流行っていますので病院を受診されてみてください」

 

さて、何の問題もないこのやり取り、どこに改善点があるのだろうか。

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自閉スペクトラム症や統合失調症の発症に関わる脳内ネットワークの推定をAIで行う研究

タイトルからしてかなり難しかったが、内容も結構難しい。

 

名古屋大学自閉症スペクトラム症(ASD)や統合失調症(SC)の発症に関わる可能性がある、脳内ネットワークを推定するAI手法を開発したと発表した。

↓発表の詳細はこちら

https://www.med.nagoya-u.ac.jp/medical_J/research/pdf/Bioinformatics_20190124.pdf

 

AI手法によって何がわかるのかというと、ゲノム変異によって影響する可能性のある脳領域の関係性が判明する。

 

まず、ゲノム変異についてであるが、ASD・SCなどの精神疾患は環境と遺伝要因(ゲノム)が複合的に影響しあう疾患と考えられている。

ところが、発生における生物学的なメカニズムは解明されておらず、今回のAI手法の開発により、メカニズムの解明がなされるのではないかと期待されるのだ。

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