おむえす

脳に栄養を

一万時間の法則

「一万時間の法則」という言葉を耳にしたことはあるだろうか。

 

超一流になるには一万時間の練習が必要というものだ。

アンダース・エリクソン教授の著書「PEAK」にて話題となった。

 

超一流になるのは才能か努力か?

超一流になるのは才能か努力か?

 

超一流になるには1万時間の練習が必要である、と述べられている。

これは論争を引き起こし、超一流と呼ばれる人々を対象に調査したところ、その練習時間には差が大きかったことが明らかになり、懐疑的ともいわれている。

 

まるでマスコミのように偏向された一部分を切り出して、間違いだと騒ぎ立てた感が否めない。

教授が重要だと述べているのは、「よい指導者(メンター)に出会うこと」としている。

適切な指導者の下で練習することこそ超一流になる秘訣だと述べられているのである。

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心理的援助場面におけるブレインストーミング

A子の症例はご覧いただけただろうか。

 

psycoro.hateblo.jp

 今回検討する架空事例はこちら

 

X年某日、筆者にデイケア導入以来が届く。A子と対峙するのは三度目であり、前回デイケアは固辞していたため憂慮したのであるが、復職に必要との主治医の判断を本人が受け入れており、過緊張および過適応に本人が注意するよう導入した。数日後初回参加となる。当日のプログラムは軽作業であり、複雑な塗り絵であった。集団の中である程度集中していたが、一時間後表情を強張らせ、早退したいと申し出た。不思議に思った筆者は理由を尋ねることにした。すると、デイケア参加者にイライラが止まらない、これ以上我慢したら爆発してしまうとのこと。イライラの気持ちについて掘り下げると、偉そうにしていることが許せないという。普段はそのようにイライラしている時はどうするのかと尋ねると、爆発してパニックになるので、気づいたときに早めに対処する。これまでそうして色んなものから離れてきたが、こうして早めに対処すればなんとかなるかもしれない、あとは主治医と相談したい、と述べた。震えながら話すA子をこれ以上追い詰められた感覚にしてはと考え、早退を許可したのであった。

 

A子の基本情報については、上記の記事を参照されたい。

 

A子に対して適切な対処であったのかという点が、カンファレンスに挙げる理由であるが、純粋にA子の気持ちを知りたいという職業的好奇心に依るところが大きい。

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検討点は①A子に何が起こったのか②A子にどう対応したらよかったのか、の二点であるが、今回は①について考えてみよう。

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アイデアをたくさん出すためのコツ

ブレインストーミングは沢山のアイデアを出すことが求められる。

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集団で行うブレインストーミングでアイデアを出すには、他者の意見を受け入れつつ、新たに付け加えていくことが有効だ。

就職面接のグループワークなどで活用した機会がある方もいらっしゃるだろう。

また、企業における会議などでも積極的に取り入れられている。

特に、開発や問題解決の糸口となり、停滞した議論の打破となりうるものである。

「いいねそれ!」

から続けていくと、アイデアは無限に膨らんでいく。

 

一方個人で行うブレインストーミングはアイデアの数が限られてしまう。

KJ法などを用いて分類や整理をすると、すっきりする。

ひとつのやり方としては、思いつくままに付箋にアイデアを単語で書き出していく。

そして、分類をし繋げていくことでアイデアの文章を作っていく方法である。

また、別の方法ではブレインマップを用いる。

主題をデザインし中央に配置する。

そこから思いつくままに枝を伸ばしつつキーワードを記していく。

全体を俯瞰すると、アイデアの樹木が出来上がっているのである。

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セブンイレブンのカフェラテビターショットのリニューアルは

先日新パッケージとなったセブンイレブンのカフェラテをレビューした。

 

psycoro.hateblo.jp

 同日、同僚は新パッケージのクリームラテを飲んでいた。

新しいものに目がない単純な職員どもである。

 

というわけで、今回はビターショットを飲んでみた。

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今までのビターショットはやや薄目といった印象であったが、リニューアルで何が変わったのだろうか。

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対人援助は可能性の探求である

今までWAISを施行していて、印象の残るクライエントは数多く存在する。

その中でもこちらの感情を揺さぶったのは、A子であった。

『終わったら教えてください』と積み木の教示で行うのだが、完成すると外国人よろしく両手を黙って斜め前に差し出す。

終了の合図なのかの判断が難しいのだが、得意げな顔なので恐らく完成なのだろう。

他の下位検査でもいちいち気に障る返答であったり、独特の高圧的で高飛車と感じてしまう表現を行う人物であった。

 

FIQは80強で、検査時の様子や特徴的なコミュニケーションパターンも踏まえ、発達障害の可能性を示唆する所見を作成したと記憶している。

というのも、WAIS-Ⅲにおける言語性と動作性の差が優位ではなかったが、境界域であったためである。

 

その後A子は筆者の管理する小規模精神科デイケアの導入となったのだが、もちろん拒否的であり参加することはなかった。

カウンセリングは囲い込むタイプの別の心理士が行っており、私はテスターとしての関わりのみであった。

 

それから数年、私は再びA子と対峙することとなる。

 

話は少し変わるのだが、私の心理療法は力動精神医学のオリエンテーションのもと、認知行動療法を活用するといったカウンセリングや相談援助を行う。

常に教え込まれたのは

ブレインストーミングをしなさい。最低でも5つの可能性を出すこと」

であり、多くの実習生に伝えてきており、カンファレンスでも重視している。

 

公認心理師の職業的発達の中にも表されていたが、カンファレンスはこの可能性の探求と吟味の重要な部分を占める。

今回A子という架空の事例を用いて、読者の皆様とともに考えていきたい。

コメントでもメールでも構わないので、想像力を働かせてお教えいただきたい。

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セブンイレブンのカフェラテがリニューアル

疲れの抜けない朝、コンビニに立ち寄りコーヒーを買うことは多いのではないだろうか。

セブンカフェのコーヒーはお手頃でおいしい。

しかし、カフェオレになると少々値が張る印象である。

なので、私はチルドパックのカフェラテを求めることが多い。

 

このカフェラテは甘い。

もうね、甘いのである。

これが朝の気だるさによく効く。

シャキッとするわけでもなく、じわっと体に染みわたり、元気になるのだ。

実際、朝はブラックよりも少しの砂糖とミルクを入れたコーヒーが体にいいのである。

 

そして今回、このチルドコーヒーがリニューアルしていた。

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逃れようのない苦しみに

連休中に懐かしい友人と会った。

とは言っても、二年ぶりである。

 

同じ精神保健福祉士を学んだ同窓であり、日陰者の仲間であった。

緩い結びつきで、離れていても友人が続く関係性だ。

 

二年前に会った時は彼が転職してすぐの頃であり、旧体質の精神科病院に入職したばかりであった。

二年ぶりにメールが入ってきたので、公認心理士の話などやり取りしていたら会って話が聴きたいとのことであったため、赴いたのだ。

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