おむえす

脳に栄養を

リーディングで支援の方向性を定めよ

新人さんに教えるにあたり、基本的なことの復習ができている。

それと同時に、当たり前のことを意識できていない自分にも気づくことができる。

 

集団療法の場面にて、作業に参加していないクライエントがいる。

 

スタッフの役割は、そのようなクライエントへの支援だ。

 

まず、何を考えるか。

 

作業に参加しなかったのか、作業に参加できなかったのか。

もしかするとスタッフからの案内がなされておらず知らなかった可能性もある。

 

次に、そのようなクライエントにどのように接近するのか。

 

コミュニケーションをどのようにとるのかを考えていかなければならない。

 

すごく当たり前のことであるが、実際、このことを意識して支援を行えているだろうか。

 

作業に参加しないという行動には必ず意味がある。

その時のクライエントの感情はいかなるものか。

ブレインストーミングを行い、いくつもの可能性を考える。

その中から、採用されたアイデアを用いて検証する。

不思議なことにそうそう正解とならない。

まずは、そのような確認をするという方法もある。

 

一方で、怒りや無価値観が存在するクライエントと推測した場合は、コミュニケーションが好まれない可能性も考えられる。

では、好まれないからと言ってコミュニケーションを避けるべきだろうか。

 

これもまた考えるポイントであり、避けたほうがいいクライエントと直面化が必要なクライエントが存在する。

有り体に言えば、「個別化」である。

一言で個別化と言ってしまえば、「ああ、人それぞれなんだな」と感じて終わってしまう。

どのような個別化が必要なのか、このように事例を通して学んでいってもらいたい。

 

f:id:psycocoro:20190107124213j:plainPhoto by Patrick Brinksma on Unsplash

学ぶためには観察が必要になる。

このクライエントは嫌がっているのか、緊張しているのか、喜んでいるのか。

深層心理ではどう感じているのか。

そのために観察し、サインを見逃さないようにしなければいけない。

常にリーディングする感覚を持って、相手の表情や仕草など言動の意味を考えていく。

 

そうして、真意を図りながらコミュニケーションをとり、真意と表出の差異にさらなる考察を加えていくことがクライエントへの支援なのである。