マクドナルドの注文システムについていけないおじさん
先日、友人とその子供と一緒にマクドナルドに赴いた。
Photo by Joshua Austin on Unsplash
友人の子供さんがマクドナルドを希望したため、マクドナルドに決定したのである。
コスパ大好きな庶民の私にとって、マクドナルドは高級ハンバーガーチェーンとしてとらえてしまっている。
最後に行ったのは10年ほど前ではなかろうか。
高級になりつつある感と、満たされなさで足が遠ざかっていたのだ。
ハンバーガーが65円時代に大量買いしていた記憶があるので、同じバーガーに費用を掛けたくないという思いもある。
レタスだけ安く購入し、ハンバーガーに挟んで数名で食べていたような気がする。
久しぶりのマクドナルドに突入である。
友人親子は手慣れたもので、ササッとレジ前に並ぶ。
入口にメニュー表があったが、それを見る時間もなかった。
確か100円マックってのがあったはずだから、100円メニューのやつ二つとコーヒーでも頼めば300円で済むなとか思いながら、店内のディスプレイを眺めていた。
しかし、ディスプレイにはメニューが少ない。
きっと期間限定のものや人気メニューが掲示されているのだろう。
友人親子はクーポンなるものをスマホで調べている。
「クーポン使う?」
そう問われたのだが、システムがわからない。
「いや、大丈夫。ありがとう」
クーポン…お得なのだろう。
でも大丈夫。
100円マックがあるから。
週末のマクドナルドは大盛況である。
並ぶこと20分。
ようやくレジ前に来た。
友人親子は番号で注文していた。
メニュー表を視線を落とす。
ない。
100円マックはどこだ。
そんなもの存在しないのか。
わからない。
しかも、後ろには長蛇の列。
こんなの高齢者には耐えれませんぜ。
うろたえつつ視線を泳がせていると、安めのセットを見つけた。
「チキチーをください」
「セットはどうなさいますか」
セットだと?
チキチーだと200円。
セットになると500円。
300円分のセット。
本体より高い。
言うなれば、ファミレスで400円のハンバーグに500円のセットで900円になる感覚だ。
しかし、サイドメニューがどれかわからないのでコーヒーの単価も頼み方もわからない。
「セットにしてください」
「お飲み物はどうなさいますか」
間髪入れず問われる。
こちらもスピーディーに答えねばならない。
ドリンク…これかな。
ジュース類しかみつけられない。
「コーラの…ゼロ?」
こちらも長い間飲んでいない清涼飲料水。
正式名称がよくわからない。
「はい。サイドメニューはポテトでよろしかったですか」
考える隙などない。
サイドメニューも見つけられない。
「…他に何がありますか」
「こちらからお選びください」
指示された場所を見やると、『フライドポテト』『チキンナゲット』の二つがあった。
「チキンナゲットで」
「ソースはどうなさいますか」
もう泣きそうである。
「ソース…」
「こちらからお選びください」
えっと…
選べるのは『ステーキソース』と『伊勢海老マヨソース』
「ステーキソースで」
「500円になります」
そう告げると店員さんはその場を立ち去った。
財布を握りしめ、所在なくたたずむ。
戻ってきた店員さんにクレジット会計を申し出、支払いを済ませる。
友人親子が席を確保して待っているだろうと思ったのだが、今は番号札など使わないようだ。
「そちらでお待ちください」
指示された場所は大人数が待機している。
もちろん友人親子も立っている。
小学1年生は元気にハッピーセットの景品を見て喜んでいる。
待つこと20分。
ようやくセット名で呼ばれた。
頼んだものを時折思い返していた甲斐があった。
ここは戦場である。
殺伐としている。
一足先に商品を受け取っていた友人親子は店内に席がなく、店外の子供の遊ぶところのテーブルに座っていた。
寒い。
出てきた商品はチキチーとナゲットとコーラ。
寒空の下、揚げたチキンのハンバーガーと揚げたチキンを食べ、氷がたっぷりのコーラを飲み下す。
なんだこれは。
通っている人間にしかわからないシステム。
スピーディーさを要求されるメニュー選び。
長い待ち時間。
込み合う店内。
都合1時間弱待って500円支払い手にした食事がこれ。
幹線道路に面した室外席はうるさく日差しは強く、寒風が吹きつける。
敷居が高い。
心の満足度が低い。
どうしてみんなこんなに並んでこれを食べたがるのか。
皆目見当がつかない。
匂いの強烈な油と塩気で、脳はマヒする。
思い出してまた欲してしまうこの感覚。
同時に吐き気も覚える。
麻薬かと。
きっとみんなこの油と塩を求めて平気で1時間待つのだろう。
私のようなおじさんには非常にハードルが高かった。
こんなにしょんぼりする昼食は久しぶりだったよ。
マクドナルド化する世界経済 闇の支配者と「食糧・水資源戦争」のカラクリ
- 作者: ベンジャミン・フルフォード
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2015/05/29
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る