おむえす

脳に栄養を

マクドナルドの注文システムについていけないおじさん

先日、友人とその子供と一緒にマクドナルドに赴いた。

 

f:id:psycocoro:20181127085444j:plainPhoto by Joshua Austin on Unsplash

友人の子供さんがマクドナルドを希望したため、マクドナルドに決定したのである。

コスパ大好きな庶民の私にとって、マクドナルドは高級ハンバーガーチェーンとしてとらえてしまっている。

最後に行ったのは10年ほど前ではなかろうか。

高級になりつつある感と、満たされなさで足が遠ざかっていたのだ。

 

ハンバーガーが65円時代に大量買いしていた記憶があるので、同じバーガーに費用を掛けたくないという思いもある。

レタスだけ安く購入し、ハンバーガーに挟んで数名で食べていたような気がする。

 

久しぶりのマクドナルドに突入である。

友人親子は手慣れたもので、ササッとレジ前に並ぶ。

入口にメニュー表があったが、それを見る時間もなかった。

確か100円マックってのがあったはずだから、100円メニューのやつ二つとコーヒーでも頼めば300円で済むなとか思いながら、店内のディスプレイを眺めていた。

しかし、ディスプレイにはメニューが少ない。

きっと期間限定のものや人気メニューが掲示されているのだろう。

 

友人親子はクーポンなるものをスマホで調べている。

「クーポン使う?」

そう問われたのだが、システムがわからない。

「いや、大丈夫。ありがとう」

クーポン…お得なのだろう。

でも大丈夫。

100円マックがあるから。

 

週末のマクドナルドは大盛況である。

並ぶこと20分。

ようやくレジ前に来た。

友人親子は番号で注文していた。

メニュー表を視線を落とす。

 

ない。

 

100円マックはどこだ。

そんなもの存在しないのか。

わからない。

しかも、後ろには長蛇の列。

こんなの高齢者には耐えれませんぜ。

 

うろたえつつ視線を泳がせていると、安めのセットを見つけた。

「チキチーをください」

「セットはどうなさいますか」

セットだと?

 

チキチーだと200円。

セットになると500円。

300円分のセット。

本体より高い。

言うなれば、ファミレスで400円のハンバーグに500円のセットで900円になる感覚だ。

 

しかし、サイドメニューがどれかわからないのでコーヒーの単価も頼み方もわからない。

「セットにしてください」

「お飲み物はどうなさいますか」

間髪入れず問われる。

 

こちらもスピーディーに答えねばならない。

ドリンク…これかな。

ジュース類しかみつけられない。

「コーラの…ゼロ?」

こちらも長い間飲んでいない清涼飲料水。

正式名称がよくわからない。

 

「はい。サイドメニューはポテトでよろしかったですか」

考える隙などない。

サイドメニューも見つけられない。

「…他に何がありますか」

「こちらからお選びください」

指示された場所を見やると、『フライドポテト』『チキンナゲット』の二つがあった。

「チキンナゲットで」

「ソースはどうなさいますか」

 

もう泣きそうである。

 

「ソース…」

「こちらからお選びください」

えっと…

選べるのは『ステーキソース』と『伊勢海老マヨソース』

「ステーキソースで」

「500円になります」

そう告げると店員さんはその場を立ち去った。

財布を握りしめ、所在なくたたずむ。

 

戻ってきた店員さんにクレジット会計を申し出、支払いを済ませる。

友人親子が席を確保して待っているだろうと思ったのだが、今は番号札など使わないようだ。

「そちらでお待ちください」

 

指示された場所は大人数が待機している。

もちろん友人親子も立っている。

小学1年生は元気にハッピーセットの景品を見て喜んでいる。

待つこと20分。

ようやくセット名で呼ばれた。

頼んだものを時折思い返していた甲斐があった。

ここは戦場である。

殺伐としている。

 

一足先に商品を受け取っていた友人親子は店内に席がなく、店外の子供の遊ぶところのテーブルに座っていた。

 

寒い。

 

出てきた商品はチキチーとナゲットとコーラ。

寒空の下、揚げたチキンのハンバーガーと揚げたチキンを食べ、氷がたっぷりのコーラを飲み下す。

 

なんだこれは。

 

通っている人間にしかわからないシステム。

スピーディーさを要求されるメニュー選び。

長い待ち時間。

込み合う店内。

都合1時間弱待って500円支払い手にした食事がこれ。

幹線道路に面した室外席はうるさく日差しは強く、寒風が吹きつける。

 

敷居が高い。

心の満足度が低い。

どうしてみんなこんなに並んでこれを食べたがるのか。

皆目見当がつかない。

匂いの強烈な油と塩気で、脳はマヒする。

思い出してまた欲してしまうこの感覚。

同時に吐き気も覚える。

麻薬かと。

 

きっとみんなこの油と塩を求めて平気で1時間待つのだろう。

 

私のようなおじさんには非常にハードルが高かった。

こんなにしょんぼりする昼食は久しぶりだったよ。