退院後一ヶ月の様子
術後一ヶ月を迎えた。
私の左ひじはチタン合金の人工橈骨頭が入っている。
術前までは何とか整復を目指し、自己骨で頑張っていたのだが接がることはなく、溶けていった。
創部は皮膚に戻り、生々しい傷跡を残している。
術後の経過は、前回よりも痛みが少ない。
しかし、可動域の制限は強い。
腕が伸びないのである。
もちろん曲がらないし、肩を触ることはできない。
それでも前回は髪すら触れなかった状況を考えるとマシな方と言えるのだろう。
七割
それが、医師の告げた回復割合である。
五体のうち一肢は七割になる。
全体の6%は失われた機能だ。
今後は94%の身体を目指してリハビリを行っている。
まだ半分も戻っていないので、あと二割をリハビリしているというわけだ。
それでも仕事はせねばならない。
生きるために必死に働く。
おもしろおかしくなんてとてもじゃない。
ジッと耐え、もがき苦しみながら進むしかない。
日々の変化に目を向けられなくなりそうになる。
変化を感じられなくなる時、人は容易に抑うつ感を持つ。
何も変わらない毎日何て起こり得ない。
変化を感じないように心がしようとしているだけなのだ。
今日の首都圏は冬の気候である。
週末には内容の見えづらい総選挙が控えている。
今日会うクライエントさんは、前回から数日間の変化があるはずだ。
通勤中に見る景色、通り過ぎる物や者、街の音、全てが今日のものだ。
心を閉ざさず、顔を上げ、もがき苦しみながらも進んでいく。
そうして人生の荒波を乗り越えていこう。