カウンセリングで行き詰った時の隠されたヒント
カウンセリングの中で行き詰ることがある。
症状が改善しないのだ。
「気持ちが前向きになりません」
そうおっしゃられる。
カウンセリングの目標は何であろうか。
職場復帰、学校へ行きたい、落ち込んで苦しい。
眠れない、食欲がない、動けない。
人によりさまざまである。
カウンセリングの行き詰まりでは、いったい何が起こっているのだろうか。
・目標を見直す
カウンセリングの当初の目標が達成されることは、カウンセリングを行う上で大切なことである。
しかし、ただ闇雲に目標達成すればよいというわけではない。
カウンセリングは人生の回復を目指している。
当初の目標を最終段階とするならば、スモールステップですぐに達成できる目標は何であろうか。
先ばかりを見てしまうと、焦りが出てしまう。
最終目標を達成するためにクリアするタスクは何なのであろうか。
一度立ち止まり、目標を再確認しよう。
・治っている証拠である
治らないと感じ始めている時に多いのであるが、治ってきている。
当初の自分と比べ、明らかに違いがあるのだが、まだ気になる部分があるために行き詰まりを覚える。
治ってきているからこそ、自分の状態に気づけるようになってきているのである。
そもそも、治った状況を数年前の自分の状態と思うことが間違いである。
体験や思考はカウンセリングなどを通して成長している。
中学生になって、小学1年生の状態に戻りたいと嘆いているようなものなので、昔の時分と今を比べることはやめよう。
・内容があっていない
カウンセリングは万能ではない。
だからこそ対話をして、心の力を取り戻していくのだ。
しかし、見当はずれの事をやっていることもある。
カウンセリングはモヤっとして終わるくらいでちょうどよい。
しかし、モヤっとが形のないまま続いているのであれば、方針を変えてみることが必要である。
具体的には、全く関係がないと思いながらも、カウンセリングになると思い浮かぶイメージや考えがあるだろう。
そのことについて話してみるとよい。
また、過去の出来事や、最近の出来事など、カウンセリングにふさわしくないと思っている内容の話題を持ち出してみるとよい。
・治りたくない
実はこの理由が一番多い。
カウンセリングが行き詰っているのではなく、カウンセリングを行き詰らせているのだ。
実に9割前後の原因はここにある。
例えば、復職や求職目的であったとしよう。
問題が解決されると、仕事に行かなければいけない、と思い込んでしまう。
しかし、場合によってはそれが原因でカウンセリングを受けている。
治ることは進むことであり、不安である。と思い、治りたくないのである。
それも無意識に。
不安に気づくことが大切だ。
カウンセリングの行き詰まりには原因がある。
行き詰まりこそ、現状や問題を打破するための大きなヒントが隠されている。
本人の希望にそぐわないことを行う事はカウンセリングではありえない。
安心して、今の状態を話してみてほしい。