愛すべき時間を持つ
日常のストレスはどう解消するのか。
我々現代人は、生きているだけでストレスフルな状況にさらされる。
このようなストレスは免疫力の低下のみならず、メンタルヘルスへの悪影響が強いことは周知の通りである。
ストレスへの対処は大きく三つに分けられる。
ストレスを感じている状況や相手をストレッサーと呼ぶ。
そのストレッサーに対して、
①ストレッサーを物理的に消去する
これはストレッサーから遠ざかることや、ストレッサーを消去してしまうことである。
ストレスフルな状況になければ、もちろんストレスを感じることはないのだ。
具体的には、その状況から逃れるために移動することや、ストレッサーの原因となることを辞めるなど、ストレスとなる状況や相手と対峙しないことである。
しかし、問題は完全回避できず、時間とともにストレッサーと対峙せねばならないのである。
②ストレス解消に努める
ストレス解消法を持つことはとても有効である。
ストレス解消には様々な方法が存在する。
文化活動(趣味)や運動、相談や睡眠など自分に合ったものを選択しよう。
ストレス解消は効果的であるが、根本の解決に至るのは難しい。
③ストレスと感じないようにする
そもそもストレッサーの存在は、自分自身の感じ方の問題である。
ストレッサーへの認識を変えることでストレスを感じることが無くなる。
最も効果的であるが、到達するのは困難である。
精神・心理の世界ではこの手伝いを行っているので、専門家や医療機関にて相談することが望ましい。
個人で行う場合は、学習やセミナーへの参加などを通して技法を身に着けることができる。
さて、今回は②についてお話したい。
前述のとおり根本が変わるわけではないのだが、ストレス解消だけでなくリラックスやリセットといった効果が期待できる。
ストレス解消は動的なものと静的なものに分けられる。
動的なものとしては、運動や移動などである。
運動で言えば、ウォーキングやジョギングなどの個人で行えるもの、柔軟やヨガなどのストレッチ、チーム競技などのハードスポーツなど多岐に富む。
手軽に行えるものとしては、ウォーキング・スイミングなどおすすめである。
歩くという行為は足裏の神経系への刺激やふくらはぎからの血液の循環など健康面に優れる。
有酸素運動をすることにより、細胞の活性化が起こる。
景色が変わるということで、普段使っていない脳領域が刺激され心地よい疲労を感じることができる。
景色の移動に関しては、ドライブや旅行もおすすめである。
ドライブは自己陶酔できる場所を目指そう。
目的地までの過程を楽しむことや、到着して何かを感じる、または何もかも忘れるなど、特別な体験をしよう。
ストレッチを行い、体性感覚に目を向けるのもよい。
自分をコントロールしているのは自分であるという確信が持てる。
じわっと汗ばむ程度に行い、水分をしっかり摂ることを忘れないようにしよう。
性行為も有効だ。
性欲を満たすためのセックスをするのではなく、時間をかけてゆっくりと快楽を得るようにする。
その点、マスターベーションは優れている。
リラックスした体勢でゆっくりとしたペースを保ち慰撫する。
じっくりと時間をかけてオーガズムや射精と至るように心がけよう。
脳内に快楽物質が分泌されることにより、ストレスの大幅な低下が認めらる。
静的なリラクゼーションとしては、趣味の行動をすることが望ましい。
この時気を付けるのは、没頭する時間を作ることである。
少なくとも10分は集中して趣味に取り組むようにする。
読書や映画鑑賞などでもよいし、絵画や書写などの芸術活動もおすすめできる。
また、食べることや調理に時間を割くのもよい。
飲み物によるリラックス効果も大きい。
手芸に取り組むことも有効である。
長めの入浴や十分な睡眠でもストレスが軽減される。
このように、何かに時間を割いて没頭することが肝要だ。
少し手間や時間がかかっても、心が満足することに取り組む。
その時間をしっかりと持つことにより、ストレスから解放され、脳がリフレッシュする。
根本問題の解決に至ることは難しいが、リラックスしたことによりストレッサーから受けるストレスに対して、余裕や耐性が持てるようになるのだ。
愛すべき時間を作り、その時間を集中して楽しむことが非常に重要となるのである。