おむえす

脳に栄養を

完全無人店舗のQuickに行ってみたこと

親戚に子供が生まれたので、お祝いの帰りに新規オープンしたトライアルカンパニーの「Quick」に行ってみた。

 

トライアルカンパニーは福岡に本社を持つ、ディスカウントスーパーである。

流通向けのIT技術をベースとし発展した企業であり、大型郊外ショッピングセンターを中心とし、国内200店舗以上・国外に6店舗を有する大型小売事業を展開している。

出自がITソフトウェアの開発を伴っていたこともあり、ITの取入れに積極的な企業だ。

www.trial-net.co.jp

 

ITの導入に積極的なこともあり、12月13日に日本初となる完全無人店舗の開業を行った。

完全無人店舗と言えば米Amazonが「AmazonGo」をシアトルにて展開したことが話題となった。

中国でも無人店舗が展開されており、今回の開店は日本の小売りの変換を促すものになるのかという注目される店舗である。

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ミルタザピンにおけるSNRI/SSRIの上乗せ効果は実証されなかったこと

ミルザタピンは2009年に日本で認可された四環抗うつ薬である。

短時間で効果が表れることと、持続性があることが特徴である。

ミルタザピン - Wikipedia

「レメロン」や「リフレックス」という商品名で製造・販売されている。

難治性うつ病に効果が期待でき、SNRIやSSRIと作用機序が異なるため「カルフォルニア・ロケット」という複剤併用による処方がなされることもある。

 

先日イギリスにおいて480名の治療抵抗性うつ病の患者に、SNRI/SSRIの服用にミルタザピンを上乗せした効果に関する研究の報告がなされた。

 

www.bmj.comBMJ 2018; 363:k4218

 

結果は、臨床的な効果が認められないというものであった。

 

作用機序が違うため、ミルタザピンがカルフォルニア・ロケットを行うことで治療の効果が増大するという通説であったのだが、この報告は衝撃的なものであったと言わざるを得ない。

 

今後の難治性うつ病に対する投薬の変化に注目していきたいところである。

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Photo by Thought Catalog on Unsplash

 

神経発達障害群の成長に見る社会生活の障害

神経発達障害群の中で、旧来アスペルガー障害と呼ばれていた疾患がある。

アスペルガー障害はドラマや映画での啓もう及び、KYブームの中で広く知れ渡っているだろう。

社会性の障害としてとらえると理解しやすい。

アスペルガーの心性としては、強いこだわりや場の状況を読めないことなど、他者理解に問題がある。

しかし、これだけで本人が困ることは少ない。

社会集団に属するときに問題が露見する。

社会構成員として生活をすると、他のマジョリティーと馴染めないのである。

結果として、マジョリティーを対象にした業務や協調の世界から迫害を受けやすく、精神症状を惹起したり、社会生活に不適応を起こしたりする。

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いつも心にパラソルを

パラソルと言いつつもアンブレラの話。

 

冬の雨は鬱屈としている。

雪になりそうな予感もする冷えた雨。

どんよりと重く、薄暗い。

 

そんな中、小さな折りたたみ傘を開いて最寄駅から職場へ向かう。

 

目の前には同じように冷たい雨に身を小さくして歩く勤め人達。

 

真っ黒なスーツに真っ黒な雨傘。

同じようなレインブーツに透明のビニール傘。

 

小学生は冬の朝でも楽しそうに傘をさしている。

パステルカラーの傘が上下に踊っている。

 

私の傘を見上げると、少しくたびれてはいるが、水色の小さな折りたたみ傘に、ウサギが遊んでいる。

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復職プログラムの実際

リワーク支援を実施している。

地域の精神科であるため、旧来より復職へ向けての援助は多い。

集団療法を活用しながら、クライエントに合わせた計画を組んでいく。

 

内容は軽作業を中心とし、認知機能への働きかけを目的とした活動内容となる。

ラクゼーションや余暇活動なども挟みながら復職となっていくという具合である。

 

期間はクライエントの状態と、企業の受け入れ態勢によって違うが、短くて2週間であり、最長2年の方もいらっしゃった。

平均すると3か月以内には復職されることが多い。

大々的にアナウンスをしているわけではないので、年間10名ほどの支援となる。

 

支援に乗れる方はしっかり復職される。

一方、リワークプログラムを策定したものの、参加されない方が2割ほど存在する。

簡単な話、このリワーク活動に参加できない方は、予後が悪い。

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眠れないという症状

高齢のクライエントが眠れないという訴えをされる。

布団に入ってから6時間ほど眠れずに布団で悶えているらしい。

 

その方は軽度の認知症があり、パーキソニズムでお口をいつももごもごされていらっしゃる。

パーキンソン病ではないので、精神病薬の副作用なのか認知症にともなう症状なのか判断はつきにくいのだが、本人はモゴモゴしている自覚はない。

会話の疎通性はたもたれているので、直接お聞きするのだが、もごもごに関しては

「入れ歯があわねぇんだよ」

とのお答えなので、いよいよ症状なのかどうかも怪しくなってきている。

 

クライエントの認知症の症状は物忘れが主体であり、思い出せなくてイライラするとのこと。

そもそも、双極性障害を患っていてる方であったため、認知症の出現は双極性障害が起因しているのかもしれない。

最近の話題は「眠れないこと」であるのは間違いない。

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小さい子供に対しての家庭で行うSST

保育園や幼稚園の子共が園児同士のトラブルを起こして、園からの注意を受けることがある。

母親は心底悩み、時に涙を流す。

さて、このような時に子供に対して、どのようなしつけや反省を促したらいいのだろうか。

 

認知行動療法の一つにSSTが存在する。

SST(社会生活技能訓練)は、学習理論を基にしシェマの獲得を目指している。

①場面の設定、②問題解決、③ロールプレイ、④フィードバック、⑤リラン、⑥フィードバック、⑦ホームワーク、⑧報告といった順序で実施する。

集団で行ったほうが効果が高いのであるが、今回は一対一での過程で行うSSTを紹介したい。

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