おむえす

脳に栄養を

公認心理士学習 1-2

新しい実習生を受け入れる時、本人の緊張感を大切に取り扱っている。

緊張感を感じることができることは、本人にとって必要な能力であるし、その緊張感はクライエントにも伝わるのだということをまず感じてほしい。

さらに、実習生が感じるようにクライエントも緊張するということを体験して欲しいのだ。

しかし、実習生の半数は緊張しなかったと答える。

それは、緊張と言うものの共通言語がなされていないのだと思う。

時間をかけることにより、振り返った時に緊張感についてとらえ直すことができる。

真剣である以上緊張感は感じてよい。

緊張しているとメタ認知出来ることが重要なのである。

 

では1-2-1に入ろう。

 

多職種連携において、生物社会心理モデルの理解が重要だ。

生物社会心理モデルは1970年代にジョージ・エンゲルによって提唱された。

理想的な精神医学のモデルと考えられている。

すべての病気は複数の要素で成り立っている。

生物学的、心理学的、社会学的要素が存在し、同時にアプローチを行うモデルである。

それまでの教条主義ともいわれた一元論的理解を発展させ、折衷主義とも表される。

そもそも心身医学やコンサルテーション・リエゾン精神医学において、医学的状態の心理的側面を理解するために考案されたモデルであった。

それまでの教条的な単一のアプローチに対する妥協案として体系化されていったと考えられる。

現在では、多元主義として、同時ではなく独立したアプローチを重視するものや、統合主義のように「神経―精神分析」の関係を見直し、心と脳の相互作用によるアプローチを行うものが台頭してきている。

 

公認心理士では生物社会心理モデルによるアプローチが重視されているのは、アプローチの手法として心理側面だけに傾倒するのではなく、社会と生物の問題を同時に援助していくのである。

その精度を高めることが多職種連携になる。

多職種連携のためにも生物社会心理モデルを意識して援助に臨むのだ。

それにより要心理支援者の心の健康が保持増進されることとなる。

 

1-2-2

社会学的アプローチとしては地域連携が挙げられる。

PSWの分野であるが、要心理支援者の社会資源への働きかけを行う。

公認心理士として、心の健康の保持増進を広く行うことが業務に定義されており、地域連携においても重要となる。

関係者に対しての援助は連携とは少しずれてしまうが、関係調整は重要な地域連携である。

 

1-2-3

チーム医療においては、主治医の指示を受け、チームとしての医療を重視することが必要である。

要心理支援者の心情を重視しつつ、適切な支援を行うのである。

心理的アセスメントが公認心理士のアイデンティティのひとつであるため、心理アセスメントの共有を行い、チーム医療が有機的に働くのである。

心理アセスメントの共有が連携の共通言語であるのだ。

この共通言語と言う表現は、なかなか理解しがたいが、公認心理士ではこのように表現するので覚えておこう。

多職種との連携の中で、心理アセスメントを通して見立てやアセスメントを行うということを、共通言語と表現していると捉えて差し支えないだろう。

 

今日覚えておくこと

生物社会心理モデル

多職種連携

地域連携

チーム医療

要心理支援者の心情を重視

心理アセスメントは共通言語