ミラクルクエスチョンで問題解決
「資金がいくらでも自由になるなら、どう会社を経営するか考えてほしい」
ベン・ホロウィッツ著の「HARD THINGS」はハッとさせられる言葉が散りばめられている。
CEOとしての苦悩の日々をつづった同書は、我々に生きるヒントを与えてくれる。
心理領域から拝読すると、ミラクルクエスチョンと呼ばれるブリーフセラピーの手法に似ているワードが登場する。
ミラクルクエスチョンは奇跡が起こったら何をするのかを想像し、短期間に問題解決へと導いていくものだ。
このミラクルクエスチョンは意識せずにコミュニケーションの中で登場するものだ。
カウンセリングで用いる場合は、目的がはっきりし、そこに解釈が行われるという点にある。
例えば、「宝くじに当たったらどうする?」というのは好例だろう。
さて、冒頭の質問はホロウィッツがパートナーから尋ねられた質問である。
これにより、彼らは危機を乗り越えた。
ミラクルクエスチョンは創造性を刺激し、活力を見出す。
著名人の本を読んでいるときに沸き起こる感覚がある。
この人だからできたんだろう、ということだ。
まるでドラマを見ながら「現実ではありえない」とぼやいているかのようだ。
ドラマティックなことが起こればドラマになる。
ドラマティックなことが起こせれば成功者になりえる。
自分ではやらない言い訳を、当人の特殊性に求めているのだ。
叶えるための努力をどれだけしたのだろう。
少なくともホロウィッツは努力し駆け回り、何度も挫折した。
資金がなければ何も始められないわけではない。
日本でも同様である。
「資金がいくらでも自由になるなら、どう会社を経営するか考えてほしい」
あなたが問われたら、どう答えるだろうか。
それをやらないのは何故だろうか。
今できることは何だろうか。
このアイデアを思い浮かべる前のあなたの心と、どう変わっただろうか。