おむえす

脳に栄養を

一呼吸おいてからの一言がカウンセリングでは重要である

AI手法の進歩は目覚ましいものであり、今度は東京大学てんかんの脳波を検出するAIを開発したという。

http://www.h.u-tokyo.ac.jp/vcms_lf/release_20190131.pdf

先日もAIのお知らせをしたのだが、医療が革新的に進歩していく予感である。

 

さて、今日のお話は「一呼吸入れる」ということである。

クライエントへの対応は、まさに「今ここで」の出来事である。

クライエントの訴えに対して適切な対応や、素早い判断を下す必要がある。

特に、医療機関においては症状であるかどうかの鑑別を即座に行いながら面接を展開していく。

 

例えばこのような事例を見てみよう。

主訴「最近熱っぽい」

クライエント「なんだが熱っぽくて、体がだるくて頭もボーッとしてます」

セラピスト 「今日も熱っぽいですか」

クライエント「はい。朝から熱っぽくて、呼吸もしづらい感じがします」

セラピスト 「測ってみましたか」

クライエント「朝は37.2℃でした」

セラピスト 「風邪かもしれませんね。インフルエンザも流行っていますので病院を受診されてみてください」

 

さて、何の問題もないこのやり取り、どこに改善点があるのだろうか。

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自閉スペクトラム症や統合失調症の発症に関わる脳内ネットワークの推定をAIで行う研究

タイトルからしてかなり難しかったが、内容も結構難しい。

 

名古屋大学自閉症スペクトラム症(ASD)や統合失調症(SC)の発症に関わる可能性がある、脳内ネットワークを推定するAI手法を開発したと発表した。

↓発表の詳細はこちら

https://www.med.nagoya-u.ac.jp/medical_J/research/pdf/Bioinformatics_20190124.pdf

 

AI手法によって何がわかるのかというと、ゲノム変異によって影響する可能性のある脳領域の関係性が判明する。

 

まず、ゲノム変異についてであるが、ASD・SCなどの精神疾患は環境と遺伝要因(ゲノム)が複合的に影響しあう疾患と考えられている。

ところが、発生における生物学的なメカニズムは解明されておらず、今回のAI手法の開発により、メカニズムの解明がなされるのではないかと期待されるのだ。

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誰かの口を使って語られるネガティブワードは本人の意見である

今の勤め先に就職したときより、病院長から10数年言われ続けていることがある。

 

精神科医療は斜陽産業だ」

 

精神科バブルが終わり、医療費圧縮のために精神科診療報酬は減算されるであろうという、至極真っ当な意見である。

ところが、その実大幅な減算は無く、精神科クリニックが乱立することとなっている。

そして、ここ数年言われていることは、

 

集団療法は世の中が必要としていない」

 

ということだ。

年末に「集団療法をさせてください」と願い出たばかりであるのに、昨日もこの話題に終始した。

人員体制を整えることも、私の外来診療日を増やすことも真っ向から否定された上での言である。

果たして集団療法を世の中が必要としていないのだろうか。

答えは明確であり、世の中の精神科デイケアなどの実情を見ると決してそうではないことが窺える。

福祉施設だけでは地域支援はカバーできないのである。

 

つまり、「世の中が集団療法を必要としていない」のではなく、「私(=病院長)が集団療法を必要としてない」ということだ。

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どうしてわからないんだ!の対処法

人間とはわかってもらいたい生き物である。

わかってもらえないことは、悲しいことであり、腹が立つことでもある。

承認欲求の一部でもあり、他人から認められたいという気持ちの変性と考えて差し支えないだろう。

 

ところが、これが難しく、相手に伝わらないということが往々にして起こる。

 

「これくらい言わないでもわかってくれ」

「どうしてわからないんだよ」

「普通わかるだろう!」

 

といった思考の罠に陥りやすい。

 

では、どうしたら相手に伝わるだろうか。

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飲み会は心理的技術の披露の場である

心理的援助で重要なのは、クライエントの心的事実を受け止めることである。

求められる姿勢は傾聴であり、その訴えの奥底にある心を推察していく。

 

ある時、指導者に精神科は芸の世界であるといわれた。

様々な技を用いて芸を行うのであるという。

技は各領域における技術であり、例えば認知行動療法精神分析などがそれにあたる。

芸はその実践の場であり、クライエントとの関りで惜しみなく活用していくということになる。

我々は技を磨き、クライエントをある意味において幸福に導いていかねばならない。

 

心的事実はクライエントがそう感じているという事実であり、客観的事実との齟齬が生じていることは少なくない。

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確証バイアスの罠にはまらず検証を行う

人間は確証を持ったものを、選択的にピックアップする傾向が強い。

例えば、近所に有名なランチの店があったとしよう。

最近ではすぐにスマホで検索して評判を見ることができる。

某グルメアプリでは☆4であり、訪問ブログなどを読んでも好意的であなた自身も行きたくなるわけだ。

実際行ってみると、数十分の待ち時間を経てランチにたどり着く。

ブログで見たメニューを注文し、おいしいと感じているのではないだろうか。

もし、これがあなたの知らない、もしくは全く検索せずに立ち寄った店であればどうであっただろうか。

まず、数十分並ばねばならないことに抵抗を感じるかもしれない。

提供された料理は特別なものではなく、ランチの一つであり、どうしてこんなにも繁盛しているのか不思議に思うかもしれない。

ここに確証バイアスが少なからず存在している。

グルメアプリでは☆1や2をつけていた人もいただろう。

そこには「待ち時間が長すぎて…」や「スタッフの対応が…」など、否定的な意見もあったはずだ。

しかし、我々は自分が「おいしいに違いない」と思って調べているときは、そのような意見に目を通さなくなってしまう。

自分が得ている確証(=おいしい店だ!)を強化するための情報しか取得しなくなってしまうのである。

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舞鶴の「ゆうひ食堂」のランチはホッとするお味

先日、研究会で福岡市の天神地区に行っていた。

昼食に何となく天丼が食べたくなり、北天神地区を徘徊していたのだが、これといったお店に出会わず、気が付けば舞鶴地区に入っていっていた。

 

親富孝通りと改名されたかつての繁華街は、地元の署名により親不孝通りへと戻ったらしい。

かつては、大手予備校がひしめき、天神からこの親不孝通りを通って浪人生が予備校に通っていたという歴史があり、夜になると若者が集まる地区であった。

予備校の閉校と共に治安が悪化し、よろず町通り(本来の通名は万町通り)→親富孝通りへと改名されたという経緯をもつ。

親不孝通り - Wikipedia

 

さて、この親不孝通りから一本入ったところに「ゆうひ食堂」が存在する。

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