おむえす

脳に栄養を

医療コラム

誰がために禁煙をするのか

友人が難病に罹患した。 バージャー病。 閉塞性血栓性血管炎である。 友人は身体を使う仕事に就いている。 男職場で激務を行っていた。 ある時から、足が痛んでいたという。 長く動けない、そう感じて受診したところ、「バージャー病」と告知された。 幸い壊…

統合失調症ではなかった統合失調患者のお話し

以前治療援助をした方から連絡が入った。 また体調を崩したのかと憂慮したが、そうではなかった。 来月より某大企業の短時間正社員として採用されたという報告であった。 私がその方(A子)と出会ったのは、心理検査の依頼であった。 エキセントリックな服装…

卵かけごはんと自閉症スペクトラム

卵かけごはんの一時的な盛り上がりは何だったのだろうか。 TKG 特集本まで出される始末であり、専用かけ醤油は未だにスーパーに並んでいる。 熱しやすく冷めやすい。 国民性でもあり、大衆迎合社会の副産物ともいえる。 押しなべて周囲に合わせることが必要…

車検を受けて、近未来の制度について想いを巡らす

車検に行った。 私の住む地域は地方都市の外環になるので、車は必需品である。 さらに出身地は片田舎なので、車がなければ帰省できない状況である。 という所有の言い訳は置いておいて、車検に際して感じたことがあった。 まず、納税証明書が手元にない事で…

苦しい時にこそ『置かれた場所で咲きなさい』を読む

入院中に何度も何度も読み返した本がある。 以前も読んでいたはずだが、不思議と心にしみた。 年齢を重ねた経験がそうさせるのか、理解力が養われたレディネスなのかはわからなかった。 三度ほど読み返した後、当時大切にしていた友人に送った。 一緒に読ん…

残暑の空を見上げて余暇について考える

職場へ向かう電車は空席が目立ち、まだお盆休暇の余韻を感じる。 日本各地を襲う豪雨の影響は、通勤路にも見え隠れしており、ひっくり返った側溝の蓋が雨の強さを物語っている。 駅を一歩踏み出すと澄み渡る青空が広がっており、残暑の始まりを告げていた。 …

医療界はサービス化が進む

お盆である。 医療界において基本的にお盆は休みではない。 そもそも斜陽産業とも言える医療業界はサービス競争が行われているわけで、休みという概念は崩れつつある。 院長は明確にお盆が休みでない理由を述べる。 「病気に休みはない」 確かにその通りだ。…

私という誰か

自分が何者であるか。 ふとした時に病魔のようにこの感覚が忍び寄ってくる。 何のために生き、何を目指しているのか。 不安で押しつぶされそうになり、胸をかきむしりたくなる。 このような不安を、「実存的不安」と呼ぶ。 哲学の世界ではこの不安を学術的に…

正直者が馬鹿をみる三つの理由

社会に出てすぐに先輩から受けた忠告がある。 「フランクなのは君のいいところだけど、正直さが身を滅ぼすよ」 この言葉の通り、すぐに目の敵にする同僚が現れ、その執拗な怒りは退職するまで続いていた。 いまも原因はわからない。 ただ、感じたことをその…

標準化と変化と

最初に働いた職場も病院であった。 今のような心理士の仕事ではなかったが、地域の中堅病院の総務事務として入職した。 時は「病院医療機能評価機構」といういわば高級官僚の天下り先とささやかれる認定機構が全盛期の時代であった。 当時はどこの病院も躍起…