ミルタザピンにおけるSNRI/SSRIの上乗せ効果は実証されなかったこと
ミルザタピンは2009年に日本で認可された四環系抗うつ薬である。
短時間で効果が表れることと、持続性があることが特徴である。
「レメロン」や「リフレックス」という商品名で製造・販売されている。
難治性うつ病に効果が期待でき、SNRIやSSRIと作用機序が異なるため「カルフォルニア・ロケット」という複剤併用による処方がなされることもある。
先日イギリスにおいて480名の治療抵抗性うつ病の患者に、SNRI/SSRIの服用にミルタザピンを上乗せした効果に関する研究の報告がなされた。
www.bmj.comBMJ 2018; 363:k4218
結果は、臨床的な効果が認められないというものであった。
作用機序が違うため、ミルタザピンがカルフォルニア・ロケットを行うことで治療の効果が増大するという通説であったのだが、この報告は衝撃的なものであったと言わざるを得ない。
今後の難治性うつ病に対する投薬の変化に注目していきたいところである。