おむえす

脳に栄養を

ブロンを飲んでスッキリ

朝晩の冷え込みによる温度差が生じると、高い割合で喉を痛める。

予防に留意してはいるものの、どうしても温度変化に体がついていかないのだろう。

週明けからクズクズと体調を崩し、喉と鼻が痛い。

喉に関しては、痛いというよりもムズ痒いのだ。

週後半になると咳がひどくなってきた。

どれだけうがいを心がけていても、喉がムズ痒い。

残薬はないかという、医療従事者としてはあるまじき行為かつ、医療従事者によくみられる行動を起こす。

カルボシステインでも入れておけば、喉の不快感は消えるだろう。

消炎鎮痛はやりすぎだろうし、抗生剤は別の問題を引き起こすので、問題外である。

しかし、アレルギー体質であるため、花粉症の時期にしっかり使い切っていた。

 

とりあえず寝よう。

横たわるものの、喉のかゆみで寝付けない。

翌朝になると、さらにひどくなる予感でいっぱいである。

しばし努力してみたものの、咳払いがうるさい。

 

ふと思い立ち、引っ越し前に詰めておいた医薬品系の缶ケースを開いてみた。

総合感冒薬くらいならあるかもしれない。

 

…お?

 

これは、、

 

咳止めを発見!

 

いつ買ったのかすら覚えていない。

これで一安心である。

 

…んん?

 

使用期限

 

2016年5月

 いやいやいや。

これはダメでしょ。

くどいようだが医療従事者としては、使用期限を過ぎた薬を使うことはおすすめできない。

まあ、私個人となれば、まあ、話は別かと…

うん。

まあいいや。

 

とりあえず飲む。

 

のどムズ痒いしね。

 

しかし、この薬なんだろか。

買った記憶はあるようなないような。

市販薬買うときは安いものを選択する傾向にあるので、シンプルで安いものを買ったのだろうと思う。

糖衣だし小児も使えるのだろう。

成人で4錠飲むとは結構大変であった。

 

気になったので調べてみた。

 

……えっ

 

 

 

【指定第2類医薬品】エスエスブロン錠 84錠

【指定第2類医薬品】エスエスブロン錠 84錠

 

 検索にかけた瞬間、

 

「ブロン OD」

 

の予測変換。

まさか、咳止めシロップ遊びとかのあれなわけ??

薬効は何?

成分は?

 

もう気になって調べずにはいられない。

メチルエフェドリンとジヒドロコデインが有効成分であるのだが、その筋の方は一気に一瓶服用することもあるようだ。

 

OD(オーバードーズ)は明らかな自傷行為であり、依存症である。

なぜODをするのか。

ひとつには、そうせざるを得なかった苦しみや辛さ、悲しみの存在がある。

しかし、私はこう感じる。

ODすることでしか対処ができないのである、と。 

にっちもさっちもいかないことや、逃れようのない苦しみは確かに存在する。

このような話になると、浅慮な若者や注意のできない周囲の大人がやり玉に挙げられるのだが、短絡的なODというのは少々考えて見らねばならないのではなかろうか。

 

状況刺激がおこる。

ネガティブなものだけではなく、アクティブなものやポジティブな思考からODに走ることもあるだろう。

しかし、なぜその選択をしたのかが重要なのだ。

環境なのか個人因子なのか、そのどちらとものバランスが崩れたときに、対処する術を持たずODをしているのだ。

楽しいことはたくさんあるだろう。

なにもトリップするだけが人生のすべてではない。

苦しみから逃れる方法はたくさんある。

トリップして目を背けて同じことの繰り返しが起こるだけだ。

ノリに任せて行動するのはもうやめよう。

最終的に自分を見つめるときになって、初めて絶望を感じることになる。

 

依存からの脱出は容易ではない。

依存症の自助グループや精神科での専門治療など、社会的な手助けはいくらでもある。

依存を持っているからとて、医療も通告義務はない。

安心して依存と向き合って欲しい。

 

ブロンは気持ちのよい薬である。

咳が静まったのだ。

もし、ブロンをOD目的で購入する例が後を絶たなければ、ブロンは販売中止となってしまうだろう。

医薬品は、用法・容量を守り、適切に使う。

当たり前のことである。

ODは病気である。

早めに専門機関に相談しよう。