おむえす

脳に栄養を

マイルドなADHD

このような雑記ブログであるにもかかわらず、初めてコメントを頂いた。

ありがとうございます。

誠意更新していきたいと思う所存です。

 

さて、更新の遅れの言い訳をすると、心理検査の所見が多かったのである。

普段はWAIS-Ⅲのオーダーが多いのだが、WISCの依頼が出た。

お恥ずかしい事に、当院はWISC-Ⅲしか置いていないので、精度には疑問が残る。

当院の主対象者が成人期以降の地域で生活可能な方であるため、児童用の検査一式や専門治療は行っていない。

それでも中高生の保護者からの相談は多く、私も多くのカウンセリングを担当させてもらった。

一時期、ADHDを持つ高学歴の高校生を同時にカウンセリングしていた。

大学進学を視野に入れた時に、ケアレスミスによる得点の伸び悩みが顕著になるのだ。

薬物治療に対しては慎重に行う方針であるため、心理査定と面談を繰り返し対処法を探していく。

それでも本人が望むのであれば、服薬治療が開始される。

 

しかし、この高学歴のADHDのクライエントに対して、薬物治療の効果はそれほど高くない感覚を持っている。

つまり、薬物治療の対象となるADHDのクライエントは、症状がもっと華々しい。

静座ができなかったり、衝動的な行動が目立ったりする方である。

服薬により驚くほど落ち着いて行動が出来るのだ。

では、先程のようなマイルドなADHD(心理査定では有意差が出ている)の方は、どうなるのか。

服薬により落ち着いて問題に取り組めるのだが、思っていらっしゃるほど得点が伸びないのだ。

これは、本人の地の能力が反映される。

つまり、その点に関して学習不足であるのだ。

クライエントはADHDが原因であると思っており、服薬により飛躍的に得点が伸びると考えているため、服薬の効果を感じにくい。

落ち着くことができるようになった実感はあるものの、希望する得点の伸びは得られないのだ。

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さて、脱線が進んでしまったのだが、今回実施したWISCのクライエントも、高いIQを示すもののADHD傾向であった。

主治医との検討や養育者との相談を経て、服薬治療を開始する予定としている。

本人がそれで周囲とうまく行ったり、自己効力感を高めることができれば服薬がうまく行ったと考えられる。

静座不良ではないが、検査後半になると座っていられない程度のマイルドなADHDである。

クライエントの将来のために、今を大切に治療を進めていきたい。

 

そのクライエントは将棋が強く、検査後の将棋では本気で私も対局したのだが、危うく敗着となりそうであった。

次回対局する時には負けてしまう予感に嬉しく感じている。