自閉症スペクトラムとアスペルガー障害のこと
最近よくアスペルガー障害は無くなったのかという質問を受ける。
無くなったと言えば無くなったのだが、どちらかと言えば自閉症スペクトラムに内包されたと考えて頂くのがよろしいかと思う。
アスペルガー障害が診断基準の難しい障害であること、また、どの点において確定するのかが精神科医によって異なっていることが問題となった。
つまり、医療的エビデンスに欠けるというわけだ。
しかし、現症としてのアスペルガー障害は存在する。
アスペルガー障害を重篤度で見分けるのかというわけになるのだ。
いわゆる空気の読めない人止まりなのか、それとも相手の気持ちがわからずこだわりが強く社会生活を送れない人なのか。
今までは両者ともにアスペルガー障害として診断される可能性が強かったわけだ。
しかし、コミュニケーションや社会性の質的障害が起こっているということは、日常生活や社会生活に障害を抱えるわけであり、根本的な脳の機能に違いがあるのではないかと推測される。
空気が読めないくらいで生活に障害がない場合のアスペルガーとは明らかに症状が違っているわけだ。
また、実際の臨床場面では知的障害や他の発達障害との区別の難しさや、診断軸では該当するものの心理検査では発達障害の特徴が現れないということが多かった。
このため、アスペルガー障害と言う病気を特定する基準があいまいであったというわけだ。
現時点では、そのような状態像を包括して「自閉症スペクトラム」と診断することになってきている。
将来的にはアスペルガー障害の基準が見直され、再び病名として登場することになるのではないかと思う。
参考までに、こちらのサイトが非常にわかりやすく書いてあるので、ご覧いただきたい。