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衆院選2017が難しい② ~希望の党の選挙公約を考えよう~

鳴り物入りで登場した希望の党であるが、合流分裂を経てなんだかよくわからないという人も多いだろう。

私もその一人である。

選挙公約を見ることで、何を主張しているのか考えていきたいと思う。

第一野党となり得るのか、それとも今回の選挙で与党になれるのか注目度は高い。

 

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①消費税増税凍結

景気回復を確実にするため、2年後の消費税増税を凍結します。

アベノミクスによる効果は認めつつも、我々国民が好景気だと感じられないことについて言及している。特に、8%もに増税した消費の冷え込みを考えると、一旦凍結し歳出削減と大企業への課税により財源確保を目指すとしている。果たしてそれだけで潤沢な歳入が期待できるのだろうか。国会が身を切るということを第一の課題としていることが次の②の政策に表れている。

 

②議員定数・議員報酬の削減

議員の問題行動に触れているが、与党に限ったことではないのではないだろうか。

日本の国会議員の歳費は(中略)世界最高レベルです。(中略)定数削減、議員報酬削減を私たちは提案します。

これは選挙制度自体の改革が必要となるであろう。政党政治である以上、人を選ぶ以上に今回のように政党を選ぶということが迫られる。これはある党の議員の政策に共感した者の、その者が所属する政党の政策の下では実現できないという可能性があるわけだ。また、比例による繰り上げ当選での議席の確保が約束されているわけであり、政党を選んでいるという感覚はぬぐえない。この点に鋭く切り込む公約と考えていいものだろうか。財源確保のために議員(人件費)に手をつけるというのは納得できる一方、リストラが行われる企業と照らし合わせて考えると、手放しには喜べない。

 

③ポスト・アベノミクスの経済政策

先端分野での競争力を高め、企業を促進し、経済の自律的成長を目指します。(抜粋)

規制改革にも触れているので、何かしらの緩和がなされると思うのだが、具体的にはわからない。小池知事らしく東京オリンピックパラリンピックの成功を述べているのだが、そもそも東京都が行うコンパクトなオリンピックを目指していたのではなかっただろうか。国民がどれだけ自国開催を望んでいるのだろうか。ポスト・アベノミクスとしては、少々ボリュームに欠けると言わざるを得ない。

 

原発ゼロへ

原子力技術の保持方法を確保したうえ上で、2030年までに原発はゼロへ。

原子力は技術保持のために必要だという話を聞いたことがある。有事の時に何かに利用できるということだ。日本は電気も水道も使い放題な印象が強い。原発をゼロにした上で賄えるだけの電力確保は、少々困難である。しかし、東日本大震災の時に国民は省エネに努めた。省エネと代替エネルギーさえ確保できれば、実現可能である。できれば③の中にその分野への言及が欲しかったところであるが、未来に目を向けた公約と言える。

 

⑤雇用・教育・福祉の充実

正社員で働ける、結婚できる、子供を育てられる社会。

今回の選挙では、この点は論争になっていると感じる。生きることに金銭が生じるのと同じく、育てることには費用が生じる。国民はこの点で楽をしたいということだろうか。かつて家庭のために働き、家庭は教育や家事を行う場所であった。それが出来なくなった社会を当然とするのであれば、無償化や社会保障の拡充が求められる。現代社会においては教育や福祉を家庭で行えないので、なるべく負担減が望ましい。出産育児期間中も雇用が確保できる正規労働を実現するという三位一体の公約である。財源はどこだろうか。

 

ダイバーシティの実現

もうそもそも「ダイバーシティ」が難しい。私は長い事「Diver City」地下社会か何かと思っていたレベルの低さである。かつてもっくんがCDMA1のCMで高速移動中に携帯電話が途切れないと言っていたことを思い出すくらいだ。正しくは「Diversity」であり、「多様性」の意である。ダイバーシティの実現とは多様性の実現であり、社会的マイノリティとなってしまっている人々も活躍できる社会の実現と考えたらよいようである。医療福祉分野ではノーマライゼーションと言えば聞き覚えがあるだろう。

すべての人が輝ける社会を目指します。

医療・介護・福祉の総合合算制度を目指すというのは面白い政策だと思う。避けては通れぬ負担を国が援助してくれるというわけだ。ひいては日本の国力アップと行きたいのであろう。言葉は難しいわりに、内容は充実している。できれば「総合合算制度」を公約として挙げて頂きたかった。

 

⑦地域の活力と競争力の強化

道州制導入を目指し、国の財源と財源を移して行きます。

これもまた、大きく出た話である。地方創生の目玉となる政策であろう。中央集権は否めない現状を、地方に移譲するということである。農政改革も行うらしく、地域の力を増強したい考えが見て取れる。集めたものを拡げることは容易ではない。ここにもひずみと利権が関係してくることとなるが、どう対応していくのか具体的に知りたい。

 

憲法改正

時代に合った憲法の在り方を議論します。

憲法改正に対する論は根強い。今回の選挙と同じく内容が分からず進んでいる気がするからだ。自衛隊問題や地方分権を明記することを柱としている。そもそも国民投票が実施されることとなるので、憲法改正に向けてどのように国民に対して周知していくのかが重要となる。また、二院制を廃止したい考えから行くと、一院による決議により国民投票が敢行されることになるのは少々危険ではなかろうか。

 

⑨危機管理の徹底

安全保障環境は、党派を超えて取り組みます。

これは是非ともそうしていただきたい。対外交力はいかほどの物になるのだろうか。国家保全が喫緊の課題であるので、具体的にどのように対応するのかの説明がもう少し欲しかったところである。

 

 

国民感情に訴えかけるには、現実的な政策が多いと言える。しかし、やはり財源の確保については議論の余地はあるだろう。小池代表がどれほど推し進められるのか、また、政権を持った際にどれほど履行するのか、民進党と合流したことで混乱した政党内の運営とビジョンを知りたいものである。

 

psycoro.hateblo.jp

 

 

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