救急入院の初期対応
入院生活7日目。
ついに一週間である。
博多駅にNEMちゃんうちわもらいに行きたい。
病院が救急指定を受けているので、深夜は救急車のサイレンが絶えない。
日中も遠くで鳴っている気がするほどだ。
音というものは思考に影響を及ぼしやすい。
特に私は音に過敏な方なので、いつも何かの音楽が思考内で流れていたり、その店の音やCMが再生され続けたりする。
アルバイトで入ったコンビニは、当時プレステソフトを全面的に売り出していた。
深夜の人気のないコンビニエンスストアで、繰り返し流される「サルゲッチュ」のCM。
寝ても覚めても「サルゲッチュ」。
授業中も耳の奥にこびりつているため、振り払うためにラウドミュージックを聞いたものだ。
精神科のスーパー救急の初期対応
友人の働く病院は、精神科のスーパー救急を持つ。
警察官通報により搬送される方や、錯乱状態になっている方など、症状が華々しい。
無知な私は「ハロマンスの筋注をするのか」と問うた。
統合失調症で幻覚妄想状態となっている場合に、本人の苦しみを取るために、抗精神病薬を投与し症状を軽減するのかと思ったのだ。
回答は「No」であった。
まず精神症状が悪化していようと、治療契約が優先されるのだ。
望まれない注射は、罰と感じる。
治療行為ではあるが、治療的行為ではないのだ。
本人が治療に臨むためのレディネス(準備性)を作らねばならない。
精神科スーパー救急の治療スタッフは、いかに本人の同意を取るかが重要なのだという。
現状を病状とあると認識することが、予後を左右する。
病識を持つ第一歩なのだろう。
高熱が出た人に解熱剤を投与しないのかと考えたが、精神科における「高熱」は自傷他害である。
スーパー救急に搬送された時点で、自傷他害以外は保護され保障されるということなのだ。
治療契約を結ぶこと。
アジェンダの設定。
このような一歩一歩の積み重ねが大切であり、ないがしろにしてはいけないのだと再認識した。