車検を受けて、近未来の制度について想いを巡らす
車検に行った。
私の住む地域は地方都市の外環になるので、車は必需品である。
さらに出身地は片田舎なので、車がなければ帰省できない状況である。
という所有の言い訳は置いておいて、車検に際して感じたことがあった。
まず、納税証明書が手元にない事である。
本年度からインターネットによる払い込みが可能となった。
これはとてもありがたいことである。
となると、当然納税証明書は手元にはないことになる。
自己車検でなければ、依頼機関が調査確認を行う。
注意しておきたいことは、納税から車検までの期間が短すぎると照会が難しいということである。
インターネットで払い込みをされる方はご注意されたい。
昔は車検ともなれば、代車を予約し数日をかけて行っていた。
代車を借りると燃料が入っていなかったり、意外とグレードの高い車が来たりとハプニングが起きてように思う。
若い時分には代車だからと手荒に扱い、友人とアイスバーンでパワースライドを楽しんだりしていた。
しかし、今の車検は違う。
そもそも整備時間が一時間程度である。
車を持っていき、珈琲を飲みながら待っていると、点検個所と推奨整備の説明がなされる。
推奨整備については自分でできるもののあるため、必ずしも実施する必要はない。
というか、自分でできるものの交換が多い。
心配であれば、次回点検時にお願いすると返答し、自宅に戻って調べてみることをおすすめする。
さらに、次回車検までのサポートパックなるものが存在するケースがある。
少額の負担で手厚いサポートを受けることができるため、こちらは内容を検討し、入ることが望ましいように感じる。
雑誌などを読んでいると、整備は終了する。
その後書類の諸手続きなどで30分ほどかかり、車検終了となる。
後日車検証と車検証明シールが送付されるか、受け取りに行くといった仕組みだ。
手続きの簡便化、時間短縮は非常に喜ばしい。
技術の進歩により、チェック項目は自動化されコンピュータ診断に頼る部分が大きい。
法廷点検項目はクリアできるような基準を保てる車種が多く、工場側も手間が少ない。
また、技術の進歩は自動車本体のみならず、サービススタッフや工具一つ一つにも見て取れる。
全体的に進化が見られるため、整備がとても速い。
近未来には自己車検がセミオートマチックで行われる日は遠くないだろう。
そうなると、民間工場は苦しい立場になるのだろうか。
自己車検の委託が行われることは明確であるので、その設備投資を出来るかどうかが重要になってくるだろう。
もしくは、従来型の整備を望む自動車ファンも少なくはないはずだ。
年式によってはオート車検は受けれない車両と二分することとなる。
つまり最新車であれば安く簡便に車検を受けることができるが、年代物の車となると費用がかさむ。恐らく、輸入車も同様であろう。
年代物の車、輸入車は趣味の世界だ。
費用的な余裕や、個人的な楽しみとして所有している。
もちろん、そのスタイルや機能にほれ込んでいるというのも理由であろうが、一般的にそれを趣味と呼ぶのだ。
必要最低限の物以上は自己負担となる。
それが、未来の車検である。
全くもって、今後の社会保障と似た未来である。
我々は高度に洗練された医療を、皆保険制度の下で享受している。
福祉においても手厚い手当を享受している。
近未来はどうか。
画一化された最低限度の医療を受けることは可能である。
それ以上は趣味や余裕の世界となる。
どこまでも求めるのであれば自己負担が原則となる。
医療保険は近く自由化されるだろう。
圧迫され続ける社会保障費は、圧縮せねばならない。
最低限度の医療福祉が実現される日は遠くない。
セミセルフとなる車検と、最低限度の医療福祉。
これが近未来の選択ではないだろうか。