おむえす

脳に栄養を

医療コラム

一呼吸おいてからの一言がカウンセリングでは重要である

AI手法の進歩は目覚ましいものであり、今度は東京大学がてんかんの脳波を検出するAIを開発したという。 http://www.h.u-tokyo.ac.jp/vcms_lf/release_20190131.pdf 先日もAIのお知らせをしたのだが、医療が革新的に進歩していく予感である。 さて、今日のお…

誰かの口を使って語られるネガティブワードは本人の意見である

今の勤め先に就職したときより、病院長から10数年言われ続けていることがある。 「精神科医療は斜陽産業だ」 精神科バブルが終わり、医療費圧縮のために精神科診療報酬は減算されるであろうという、至極真っ当な意見である。 ところが、その実大幅な減算は無…

飲み会は心理的技術の披露の場である

心理的援助で重要なのは、クライエントの心的事実を受け止めることである。 求められる姿勢は傾聴であり、その訴えの奥底にある心を推察していく。 ある時、指導者に精神科は芸の世界であるといわれた。 様々な技を用いて芸を行うのであるという。 技は各領…

確証バイアスの罠にはまらず検証を行う

人間は確証を持ったものを、選択的にピックアップする傾向が強い。 例えば、近所に有名なランチの店があったとしよう。 最近ではすぐにスマホで検索して評判を見ることができる。 某グルメアプリでは☆4であり、訪問ブログなどを読んでも好意的であなた自身も…

認知的に今年の抱負を実現する方法

新年が始まるとクライエントと「今年の抱負」を立てている。 まず最初に昨年の振り返りから始める。 認知行動療法を取り入れながら行っているので、振り返りの一つ目はこうなる。 ・昨年でよかったこと、できたこと、うれしかったことは何ですか これを行う…

シュビングの傾聴

シュビング夫人をご存知であろうか。 なぜかあまり有名でないのだが、ゲルトルート・シュビングはスイスの看護師で、フロイト派の精神分析を学んだ。 著書「精神病者魂への道」に記されたシュビングの手技は「シュビング的接近」と呼ばれ、治療者がクライエ…

笑顔のメリットとデメリット

「男の笑顔、女性の自信でモテ度は下がる」とメンタリストDaigoさんは言われていた。 聴いてみるとなるほど納得な内容である。 daigoblog.jp 女は愛嬌、男は度胸なんてことわざを思い出してしまうのだが、ジェンダー関連の方が反応してしまうかもしれない。 …

リーディングで支援の方向性を定めよ

新人さんに教えるにあたり、基本的なことの復習ができている。 それと同時に、当たり前のことを意識できていない自分にも気づくことができる。 集団療法の場面にて、作業に参加していないクライエントがいる。 スタッフの役割は、そのようなクライエントへの…

集団療法の専門家としての終わり

職場が緩やかな閉鎖に向かっている。 病院長の高齢化による体調悪化が第一の原因である。 体調が悪化し、外来診療を減らせばよいのだが、後継者がいない。 真実のほどは定かではないが、お子様は本人たちの希望を尊重し、医師の道を強制させることはしなかっ…

催眠術は使えますかという質問へのお返事

心理の勉強をし始めたころから、時折尋ねられることがある。 このブログでもメールで質問があったので、私見を述べたいと思う。 その質問とは、 「催眠術は使えますか?」 である。 実は非常に難しい質問であり、内容によってはYESともNOともいえる。 なぜか…

伝えたいことは正確に

職業人としての生活を続けていると当たり前になってくることがある。 例えば専門用語の使用などは好例である。 看護師であれば「頻回」という言葉をよく使用する。 読んで字のごとく、頻繁な回数のことを頻回というのだが、正しい言葉なのかは疑問である。 …

ミルタザピンにおけるSNRI/SSRIの上乗せ効果は実証されなかったこと

ミルザタピンは2009年に日本で認可された四環系抗うつ薬である。 短時間で効果が表れることと、持続性があることが特徴である。 ミルタザピン - Wikipedia 「レメロン」や「リフレックス」という商品名で製造・販売されている。 難治性うつ病に効果が期待で…

神経発達障害群の成長に見る社会生活の障害

神経発達障害群の中で、旧来アスペルガー障害と呼ばれていた疾患がある。 アスペルガー障害はドラマや映画での啓もう及び、KYブームの中で広く知れ渡っているだろう。 社会性の障害としてとらえると理解しやすい。 アスペルガーの心性としては、強いこだわ…

いつも心にパラソルを

パラソルと言いつつもアンブレラの話。 冬の雨は鬱屈としている。 雪になりそうな予感もする冷えた雨。 どんよりと重く、薄暗い。 そんな中、小さな折りたたみ傘を開いて最寄駅から職場へ向かう。 目の前には同じように冷たい雨に身を小さくして歩く勤め人達…

復職プログラムの実際

リワーク支援を実施している。 地域の精神科であるため、旧来より復職へ向けての援助は多い。 集団療法を活用しながら、クライエントに合わせた計画を組んでいく。 内容は軽作業を中心とし、認知機能への働きかけを目的とした活動内容となる。 リラクゼーシ…

眠れないという症状

高齢のクライエントが眠れないという訴えをされる。 布団に入ってから6時間ほど眠れずに布団で悶えているらしい。 その方は軽度の認知症があり、パーキソニズムでお口をいつももごもごされていらっしゃる。 パーキンソン病ではないので、精神病薬の副作用な…

小さい子供に対しての家庭で行うSST

保育園や幼稚園の子共が園児同士のトラブルを起こして、園からの注意を受けることがある。 母親は心底悩み、時に涙を流す。 さて、このような時に子供に対して、どのようなしつけや反省を促したらいいのだろうか。 認知行動療法の一つにSSTが存在する。 …

精神医療における公認心理師の展望と現状

精神医療の世界において公認心理士はどのような役割を担っていくのか。 現在の社会保障費を考えると、医療費の圧縮は止む無しである。 もちろん聖域とされていた精神医療にメスが入ることにもなっている。 医療は在宅へとのシフトが余儀なくされている昨今、…

自閉症スペクトラムの学生に対する援助で気を付けたいこと

自閉症スペクトラム障害の学生の相談は、どのような傾向があるだろうか。 Photo by Nik Shuliahin on Unsplash カウンセリングでは高校生が学校生活や学業の問題で相談に来る。 友人関係がうまく築けないことでの相談はアスペルガー症候群の女性が多い。 素…

統合失調症のサポートに家族が重要だった事例

陽性症状の強かったクライエントが、昨日挨拶に来られた。 「お世話になってました。もう今日で終わりになりました」 どうやら診療が終結したようだ。 クライエントはC子(40代)である。 20代で発症し、注察妄想や幻聴・幻視に悩まされ入院となる。 統…

苦しみに触れていなかった

以前、解離症状が手指に出ており、物がうまく扱えないクライエント(A美)がいた。 A美は統合失調症の40代であり、入院歴がある。 破瓜型であり陽性症状が強かったが、初期対応が良かったことと家庭のサポートが篤かったこともあり、外来治療にすぐに遷…

やらない努力

カウンセリングや集団療法の場において、クライエントに提案をすることがある。 特に集団療法では、作業などクライエントの状態と目標に応じて設定しているため、治療としてしっかりと行ってもらう必要がある。 もちろん、本人には同意済みで進んでいるはず…

いたしませんと言えるほどの力を持っているのか

仕事をしなくなった同僚がいる話をしたかと思う。 psycoro.hateblo.jp 職場の状況の変化により、他部門への手伝いを依頼したのだが、即答であった。 いたしません。 医療業界は苦境に立たされている。 特に私の勤務するような単科の所は、診療報酬に影響され…

心理士の緊急支援で求められるもの

公認心理士試験では、緊急支援や災害支援などが多く問題に出された。 求められる役割である、国民の心の健康の保持増進とは、このような支援が大きな柱となるように考えられる。 古来より日本は災害の多い地形である。 地理学的にも災害を引き起こしやすい。…

お祭り気質の国民によるハロウィン

作成していた記事の管理が悪く、二日続けて消えてしまったので、今週のお題「ハロウィン」に乗っかってみる。 私はこのような商戦に乗れない残念な人間であるのだが、今年度のハロウィンへの世論の抵抗感には驚く。 もちろん、私自身ハロウィンに抵抗感があ…

友達を作るということ

良好な対人関係を築いていくのは、思ったよりも難しいことである。 孤独は嫌だが、対人関係で頭を悩ませたくはない。 どんな人との付き合いを継続したらよいのだろうか。 付き合いを続けるためには、何に気を付けていけばいいのだろうか。 Photo by Luca Bag…

マインドフルネス瞑想のコツ

ストレスをストレスと感じないようにするにはどうしたらよいのか。 日常のストレスへの認知を変化させてストレスと思わないようにすれば、人生はもっと過ごしやすくなる。 これはカウンセリングの究極の到達点であり、アジェンダを設定し構成的にカウンセリ…

愛すべき時間を持つ

日常のストレスはどう解消するのか。 我々現代人は、生きているだけでストレスフルな状況にさらされる。 このようなストレスは免疫力の低下のみならず、メンタルヘルスへの悪影響が強いことは周知の通りである。 ストレスへの対処は大きく三つに分けられる。…

カウンセリング時間に遅れて入室したC君

先日、予約時間と介入について述べた。 psycoro.hateblo.jp 実際にどのような介入方法があったか、直近の架空事例をもとに考えてみよう。 架空症例:選べないC君 20代後半 生育歴: 4兄弟の第三子次男として誕生。生家は医業を営んでおり、幼少時に発達的…

禁煙補助薬の力

先日の続き。 禁煙補助薬を使って禁煙することが本当にできるのかという謎があった。 なぜならニコレットやニコチネルにはニコチンが含まれているからだ。 たばこの依存症はニコチン依存であることが知られている。 ニコチンを絶たねばならないのに、ニコチ…