おむえす

脳に栄養を

日記のススメ

COVID-19の最中、みなさまどうお過ごしだろうか。 自宅待機で耐え難きを耐えていらっしゃることだろう。 筆者は医療関係者であるため、緊急事態宣言の中、トコトコと電車に揺られて出勤している。ハイリスクである。なおかつ職務内において外来検温対応を行…

福祉と搾取

共同生活援助施設利用中のクライエントの診断書作成が回ってきた。 今般年金申請を行うとのことなのだが、主治医との関係性がとれておらず、年金申請の現症時診断書作成のための情報収集及び診断書作成ということであった。 予約が詰まっていたので、6時間…

公認心理師のおすすめテキスト①

第2回公認心理師試験の合格発表を週末に控え、先日は第3回の現任者講習会の開催案内が出された。 半年間ほど福祉や後輩の試験対策を依頼され、対応に尽力していた。 実際自分も問題に当たったところ、第2回での得点率は7割であった。7割の人物から教え…

完全無欠コーヒーで完全無敵

仕事に身が入っている反面、自身の時間管理がマネジメントできておらず、仕事と家事に忙殺されている気分になる。 毎日のルーティンに対する意欲が低下しているのか、タイムコントロールがうまくいかないのだ。 仕事に対しては新人教育を含め、脳がフル回転…

主夫の黒おでん(風)のススメ

抑うつ状態を主訴とするクライエントの話をお聴きしていたところ、ご主人の家事への協力がなく、孤独感を感じているということであった。 クライエントは専業主婦で、子どもの世話や家事を一手に引き受けているという。 ご主人は会社経営者であり、零細企業…

一呼吸おいてからの一言がカウンセリングでは重要である

AI手法の進歩は目覚ましいものであり、今度は東京大学がてんかんの脳波を検出するAIを開発したという。 http://www.h.u-tokyo.ac.jp/vcms_lf/release_20190131.pdf 先日もAIのお知らせをしたのだが、医療が革新的に進歩していく予感である。 さて、今日のお…

自閉スペクトラム症や統合失調症の発症に関わる脳内ネットワークの推定をAIで行う研究

タイトルからしてかなり難しかったが、内容も結構難しい。 名古屋大学が自閉症スペクトラム症(ASD)や統合失調症(SC)の発症に関わる可能性がある、脳内ネットワークを推定するAI手法を開発したと発表した。 ↓発表の詳細はこちら https://www.med.nag…

誰かの口を使って語られるネガティブワードは本人の意見である

今の勤め先に就職したときより、病院長から10数年言われ続けていることがある。 「精神科医療は斜陽産業だ」 精神科バブルが終わり、医療費圧縮のために精神科診療報酬は減算されるであろうという、至極真っ当な意見である。 ところが、その実大幅な減算は無…

どうしてわからないんだ!の対処法

人間とはわかってもらいたい生き物である。 わかってもらえないことは、悲しいことであり、腹が立つことでもある。 承認欲求の一部でもあり、他人から認められたいという気持ちの変性と考えて差し支えないだろう。 ところが、これが難しく、相手に伝わらない…

飲み会は心理的技術の披露の場である

心理的援助で重要なのは、クライエントの心的事実を受け止めることである。 求められる姿勢は傾聴であり、その訴えの奥底にある心を推察していく。 ある時、指導者に精神科は芸の世界であるといわれた。 様々な技を用いて芸を行うのであるという。 技は各領…

確証バイアスの罠にはまらず検証を行う

人間は確証を持ったものを、選択的にピックアップする傾向が強い。 例えば、近所に有名なランチの店があったとしよう。 最近ではすぐにスマホで検索して評判を見ることができる。 某グルメアプリでは☆4であり、訪問ブログなどを読んでも好意的であなた自身も…

舞鶴の「ゆうひ食堂」のランチはホッとするお味

先日、研究会で福岡市の天神地区に行っていた。 昼食に何となく天丼が食べたくなり、北天神地区を徘徊していたのだが、これといったお店に出会わず、気が付けば舞鶴地区に入っていっていた。 親富孝通りと改名されたかつての繁華街は、地元の署名により親不…

認知的に今年の抱負を実現する方法

新年が始まるとクライエントと「今年の抱負」を立てている。 まず最初に昨年の振り返りから始める。 認知行動療法を取り入れながら行っているので、振り返りの一つ目はこうなる。 ・昨年でよかったこと、できたこと、うれしかったことは何ですか これを行う…

シュビングの傾聴

シュビング夫人をご存知であろうか。 なぜかあまり有名でないのだが、ゲルトルート・シュビングはスイスの看護師で、フロイト派の精神分析を学んだ。 著書「精神病者魂への道」に記されたシュビングの手技は「シュビング的接近」と呼ばれ、治療者がクライエ…

笑顔のメリットとデメリット

「男の笑顔、女性の自信でモテ度は下がる」とメンタリストDaigoさんは言われていた。 聴いてみるとなるほど納得な内容である。 daigoblog.jp 女は愛嬌、男は度胸なんてことわざを思い出してしまうのだが、ジェンダー関連の方が反応してしまうかもしれない。 …

リーディングで支援の方向性を定めよ

新人さんに教えるにあたり、基本的なことの復習ができている。 それと同時に、当たり前のことを意識できていない自分にも気づくことができる。 集団療法の場面にて、作業に参加していないクライエントがいる。 スタッフの役割は、そのようなクライエントへの…

組織維持のための組織はいらない

新年おめでとうございます。 本年もよろしくお願いいたします。 Photo by Brooke Lark on Unsplash 体調不良で寝込んでいたものの、なんとか新年を無事に迎えることができた。 あれから身体化がさらにすすみ、風邪は治らないし、背中が痛み始めた。 ストレス…

納会に寄せて

仕事納めの日。 懸念事項やクライアント支援など病院長に直接確認した。 まだまだ諦められない。 まだできる。 やれることがある。 逃げずに立ち向かう。 ドン・キホーテになっているかもしれない。 でも、まだやりたい。 それが自分の本心だ。 もう少しだけ…

メンタルヘルス・ファーストエイド

オーストラリアではメンタルヘルスに問題を抱える人に対して、一般市民が受講できる12時間の講習を行っている。 これはメンタルヘルス・ファーストエイドと呼ばれ、心の問題に対する応急処置となっている。 心理的危機が生じたときに、専門家にかかる前に…

採用活動再開

風邪をひいてしまった。 感冒である。 原因は、現在の職場状況によるストレスかと思う。 二転三転する状況に体がついていけない。 来年1月で集団療法を終了することになったのだが、協議を重ね存続の道を模索した。 休日返上の会議の結果、翌月半ばまでに体…

集団療法の専門家としての終わり

職場が緩やかな閉鎖に向かっている。 病院長の高齢化による体調悪化が第一の原因である。 体調が悪化し、外来診療を減らせばよいのだが、後継者がいない。 真実のほどは定かではないが、お子様は本人たちの希望を尊重し、医師の道を強制させることはしなかっ…

催眠術は使えますかという質問へのお返事

心理の勉強をし始めたころから、時折尋ねられることがある。 このブログでもメールで質問があったので、私見を述べたいと思う。 その質問とは、 「催眠術は使えますか?」 である。 実は非常に難しい質問であり、内容によってはYESともNOともいえる。 なぜか…

伝えたいことは正確に

職業人としての生活を続けていると当たり前になってくることがある。 例えば専門用語の使用などは好例である。 看護師であれば「頻回」という言葉をよく使用する。 読んで字のごとく、頻繁な回数のことを頻回というのだが、正しい言葉なのかは疑問である。 …

トライアルクイックに夜間訪問

完全無人店舗をどうしても見たかったので、トライアルクイックの夜間時間帯に訪問した。 前回はオープン当日ということもあり、取材陣が多くゆっくりと買い物はできなかった。 数日たったので大丈夫だろうと思い、23時頃到着した。 初日に比べると、圧倒的…

完全無人店舗のQuickに行ってみたこと

親戚に子供が生まれたので、お祝いの帰りに新規オープンしたトライアルカンパニーの「Quick」に行ってみた。 トライアルカンパニーは福岡に本社を持つ、ディスカウントスーパーである。 流通向けのIT技術をベースとし発展した企業であり、大型郊外ショッピン…

ミルタザピンにおけるSNRI/SSRIの上乗せ効果は実証されなかったこと

ミルザタピンは2009年に日本で認可された四環系抗うつ薬である。 短時間で効果が表れることと、持続性があることが特徴である。 ミルタザピン - Wikipedia 「レメロン」や「リフレックス」という商品名で製造・販売されている。 難治性うつ病に効果が期待で…

神経発達障害群の成長に見る社会生活の障害

神経発達障害群の中で、旧来アスペルガー障害と呼ばれていた疾患がある。 アスペルガー障害はドラマや映画での啓もう及び、KYブームの中で広く知れ渡っているだろう。 社会性の障害としてとらえると理解しやすい。 アスペルガーの心性としては、強いこだわ…

いつも心にパラソルを

パラソルと言いつつもアンブレラの話。 冬の雨は鬱屈としている。 雪になりそうな予感もする冷えた雨。 どんよりと重く、薄暗い。 そんな中、小さな折りたたみ傘を開いて最寄駅から職場へ向かう。 目の前には同じように冷たい雨に身を小さくして歩く勤め人達…

復職プログラムの実際

リワーク支援を実施している。 地域の精神科であるため、旧来より復職へ向けての援助は多い。 集団療法を活用しながら、クライエントに合わせた計画を組んでいく。 内容は軽作業を中心とし、認知機能への働きかけを目的とした活動内容となる。 リラクゼーシ…

眠れないという症状

高齢のクライエントが眠れないという訴えをされる。 布団に入ってから6時間ほど眠れずに布団で悶えているらしい。 その方は軽度の認知症があり、パーキソニズムでお口をいつももごもごされていらっしゃる。 パーキンソン病ではないので、精神病薬の副作用な…