おむえす

脳に栄養を

認知的に今年の抱負を実現する方法

新年が始まるとクライエントと「今年の抱負」を立てている。

 

まず最初に昨年の振り返りから始める。

認知行動療法を取り入れながら行っているので、振り返りの一つ目はこうなる。

 

・昨年でよかったこと、できたこと、うれしかったことは何ですか

 

これを行うことで、全体をポジティブな印象にする。

自分のポジティブな面を探すことは、ネガティブな部分を探すよりもはるかに難しい。

認知の枠組みを変え、ポジティブに物事をとらえられるように導くのである。

 

次の振り返りはこうである。

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シュビングの傾聴

シュビング夫人をご存知であろうか。

 

なぜかあまり有名でないのだが、ゲルトルート・シュビングはスイスの看護師で、フロイト派の精神分析を学んだ。

著書「精神病者魂への道」に記されたシュビングの手技は「シュビング的接近」と呼ばれ、治療者がクライエントと共にどうあるのかを示している。

 

シュビング的接近は、シュビングが緊張症の少女アリスのベッドに毎日30分間、ベッドの側に静かに佇んだという「アリスの症例」に現れている。

アリスは保護室に入院しており、外界との接触を遮断していた。

毛布に隠れ、目も口も閉じたままであり、人工栄養によって命を繋いでいた。

シュビングがベッドに佇み始めて3,4日過ぎたころ、アリスは用心深く毛布から顔を出した。

シュビングは受け身の姿勢を崩さず、そっと見守った。

その翌日、アリスは口を開いた。

 

「あなたは私のお姉さんなの?」

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笑顔のメリットとデメリット

「男の笑顔、女性の自信でモテ度は下がる」とメンタリストDaigoさんは言われていた。

聴いてみるとなるほど納得な内容である。

daigoblog.jp

 

女は愛嬌、男は度胸なんてことわざを思い出してしまうのだが、ジェンダー関連の方が反応してしまうかもしれない。

 

日本人は愛想良く相手に嫌われないように生きようとする。

おべんちゃらを使い、ゴマをすり、ニコニコと笑っていれば、難なく生きていけるという不文律がある。

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リーディングで支援の方向性を定めよ

新人さんに教えるにあたり、基本的なことの復習ができている。

それと同時に、当たり前のことを意識できていない自分にも気づくことができる。

 

集団療法の場面にて、作業に参加していないクライエントがいる。

 

スタッフの役割は、そのようなクライエントへの支援だ。

 

まず、何を考えるか。

 

作業に参加しなかったのか、作業に参加できなかったのか。

もしかするとスタッフからの案内がなされておらず知らなかった可能性もある。

 

次に、そのようなクライエントにどのように接近するのか。

 

コミュニケーションをどのようにとるのかを考えていかなければならない。

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組織維持のための組織はいらない

新年おめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

f:id:psycocoro:20190104100750j:plainPhoto by Brooke Lark on Unsplash

 

体調不良で寝込んでいたものの、なんとか新年を無事に迎えることができた。

あれから身体化がさらにすすみ、風邪は治らないし、背中が痛み始めた。

ストレスに弱い自分を情けなく感じるのである。

咳のし過ぎなのかもしれないし、人工骨頭の影響なのかもしれないが、左の肩甲骨付近にギックリ腰のような痛みを感じており、ちょっとした動作でズキッと痛む。

結局動けなくなり、痛み止めを飲み続ける年末年始であった。

 

しかし、採用活動の結果、何とか人材の確保が叶った。

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納会に寄せて

仕事納めの日。

懸念事項やクライアント支援など病院長に直接確認した。

 

まだまだ諦められない。

まだできる。

やれることがある。

 

逃げずに立ち向かう。

ドン・キホーテになっているかもしれない。

でも、まだやりたい。

それが自分の本心だ。

 

もう少しだけ頑張らせて欲しい。

そう直訴した。

余命は一年。

 

愛するクライアントのために、自己愛のために、何でもいい、もう一年だけ。

 

ラブフィーリングについてもさらけ出した。

でも、本当のことは言えなかった。

恥ずかしかったのだ。

せめて、このとこが言えるほどに。

欲しかったものを与えてくれるクライエントのためにも、もう一年だけ頑張る。

 

まずは情報提供から。

すぐに動く。

 

尊敬する人はクライエントと病院長と先輩。

そして未だに、腕を折って逃げたあの人。

 

Daigoさんを見習いたい。

強く生きたい。

 

まだやれる。

まだやりたいから。

だから、最後に全力を注ぎたい。

あと一年だけやらせてください。

 

 

メンタルヘルス・ファーストエイド

オーストラリアではメンタルヘルスに問題を抱える人に対して、一般市民が受講できる12時間の講習を行っている。

これはメンタルヘルス・ファーストエイドと呼ばれ、心の問題に対する応急処置となっている。

心理的危機が生じたときに、専門家にかかる前にどのような支援を行うか、どのように行動すべきかを示した非常に有効なツールと言える。

 

日本でも導入は進んでおり、メンタルヘルス・ファーストエイドの日本版が「こころの処置応急マニュアル」としてMental Helth First Aid Japan が普及・啓蒙を行っている。

こころの応急処置マニュアル | Mental Health First Aid Japan

 

福岡県北九州市では、九州大学との連携のもと、市民に対して広報しており、九州大学の加藤隆弘先生と岩手医科大学の大塚耕太郎教授らは職員に対する短時間のツールを開発し、パイロット研究で効果を得たと発表した。

こころの応急対応 (メンタルヘルス・ファーストエイド)の紹介 | 北九州市 いのちとこころの情報サイト

 

オーストラリアでの対応原則は次の5つである。

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