おむえす

脳に栄養を

眠れないという症状

高齢のクライエントが眠れないという訴えをされる。

布団に入ってから6時間ほど眠れずに布団で悶えているらしい。

 

その方は軽度の認知症があり、パーキソニズムでお口をいつももごもごされていらっしゃる。

パーキンソン病ではないので、精神病薬の副作用なのか認知症にともなう症状なのか判断はつきにくいのだが、本人はモゴモゴしている自覚はない。

会話の疎通性はたもたれているので、直接お聞きするのだが、もごもごに関しては

「入れ歯があわねぇんだよ」

とのお答えなので、いよいよ症状なのかどうかも怪しくなってきている。

 

クライエントの認知症の症状は物忘れが主体であり、思い出せなくてイライラするとのこと。

そもそも、双極性障害を患っていてる方であったため、認知症の出現は双極性障害が起因しているのかもしれない。

最近の話題は「眠れないこと」であるのは間違いない。

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小さい子供に対しての家庭で行うSST

保育園や幼稚園の子共が園児同士のトラブルを起こして、園からの注意を受けることがある。

母親は心底悩み、時に涙を流す。

さて、このような時に子供に対して、どのようなしつけや反省を促したらいいのだろうか。

 

認知行動療法の一つにSSTが存在する。

SST(社会生活技能訓練)は、学習理論を基にしシェマの獲得を目指している。

①場面の設定、②問題解決、③ロールプレイ、④フィードバック、⑤リラン、⑥フィードバック、⑦ホームワーク、⑧報告といった順序で実施する。

集団で行ったほうが効果が高いのであるが、今回は一対一での過程で行うSSTを紹介したい。

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精神医療における公認心理師の展望と現状

精神医療の世界において公認心理士はどのような役割を担っていくのか。

 

現在の社会保障費を考えると、医療費の圧縮は止む無しである。

もちろん聖域とされていた精神医療にメスが入ることにもなっている。

医療は在宅へとのシフトが余儀なくされている昨今、社会情勢は医療から福祉へとシフトしていきたい。

しかし、障害者総合支援法における福祉サービスの欠点は、専門家の不在とバラマキ施策による不正受給を行う施設の急増と相成った。

また、医療は精神障害において欠かせないものである以上、脱医療となるのは難しいのではないだろうか。

 

非常に安定しているクライエントが、糖代謝の問題でジプレキサの使用ができなくなった。

そのため、代替薬へと変更したところ増悪してしまった。

ジプレキサはごく低用量で投薬していたのだが、代替薬を同じような機制を狙ってしようしたものの、当該クライエントには馴染まなかったのである。

新年より就労支援を開始する予定であったのだが、少し様子を見る必要が生じてしまった。

最終的にはルーランぶよって落ち着きを取り戻したのだが、二週間は薬効を注意して見ていかねばならない状態である。

 

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自閉症スペクトラムの学生に対する援助で気を付けたいこと

自閉症スペクトラム障害の学生の相談は、どのような傾向があるだろうか。

f:id:psycocoro:20181129095027j:plainPhoto by Nik Shuliahin on Unsplash

 

カウンセリングでは高校生が学校生活や学業の問題で相談に来る。

友人関係がうまく築けないことでの相談はアスペルガー症候群の女性が多い。

素行問題での相談が多いのは、アスペルガー症候群の男子学生である。

学業不振では男性が多く、ADHD傾向が高い。

 

限局性学習症(かつての学習障害)で相談に来られる高校生はほとんど出会わない。

 

大学生になると、主に学業不振が主訴となる男性のケースがほとんどである。

この場合はADHD自閉症スペクトラムでは多くなる。

女性で進学問題を抱えている場合は別疾患であることが主である。

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統合失調症のサポートに家族が重要だった事例

陽性症状の強かったクライエントが、昨日挨拶に来られた。

 

「お世話になってました。もう今日で終わりになりました」

 

どうやら診療が終結したようだ。

 

クライエントはC子(40代)である。

20代で発症し、注察妄想や幻聴・幻視に悩まされ入院となる。

統合失調症の診断がつき、入院加療を経て自宅静養していた。

症状改善がそれ以上望めないので、転院を決意し当院を受診した。

 

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マクドナルドの注文システムについていけないおじさん

先日、友人とその子供と一緒にマクドナルドに赴いた。

 

f:id:psycocoro:20181127085444j:plainPhoto by Joshua Austin on Unsplash

友人の子供さんがマクドナルドを希望したため、マクドナルドに決定したのである。

コスパ大好きな庶民の私にとって、マクドナルドは高級ハンバーガーチェーンとしてとらえてしまっている。

最後に行ったのは10年ほど前ではなかろうか。

高級になりつつある感と、満たされなさで足が遠ざかっていたのだ。

 

ハンバーガーが65円時代に大量買いしていた記憶があるので、同じバーガーに費用を掛けたくないという思いもある。

レタスだけ安く購入し、ハンバーガーに挟んで数名で食べていたような気がする。

 

久しぶりのマクドナルドに突入である。

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就労継続支援A型が存続するには

クライエントからA型事業所利用の相談を受けた。

 

就労継続支援A型事業所は障害者総合支援法に規定された障害福祉サービスである。

就労経験があるが、現在は働いていない障害者や就労移行支援サービスを受けたものの就労に結びつかなかった方が対象になる。

ざっくり考えると、時間や体力・病状などの理由により一般就労が困難な障害者が対象となっているのである。

 

このA型はかねてより問題が多い。

 

というものの、A型は雇用型と呼ばれており雇用契約を結んで勤務する。

一方B型事業所は非雇用型であり雇用契約は結ばない。

何の違いがあるかというと、各種保険や福利厚生の適用や最低賃金の保障の有無である。

A型は給与を受け取り、B型は工賃を受け取る

一般企業で働くことが困難であるにも関わらず、A型では最低賃金を支払う。

f:id:psycocoro:20181122104340j:plainPhoto by m0851 on Unsplash

不正受給や実態のない事業所への監視が強まり、「補助金や給付金から利用者の給与は支払ってはならい」という原則の強化が行われた。

つまり、事業所の収益から給与を支払わなければならず、利用者は時給分の労働を提供せねばならないというわけだ。

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